日影規制

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 日影規制は、文字通り日影に関する規制で、建築基準法で定められています。都市計画区域の中の用途地域で商業地域、工業地域、工業専用地域以外ではこの規制があります。
 太陽光により建物は周りに影を生じさせますが、それは特に北側の建物などに陽当たりや日照時間に大きく影響を与えます。これらを一定程度に制限するために日影規制というものが考えられました。例えば、隣地境界線から5m、10mの範囲で、冬至においてそれぞれの範囲内において一定の時間内に一日の日影を抑えないといけないという規定です。
 これを検討するのはとても大変です。昔は、すべて手仕事でこれをしていましたが、今はコンピューターの素早い計算能力によりとても楽になりました。この規制をクリアするためには建物をある程度北側の隣地境界線から離すとか、建物の高さを下げたり、形態に工夫をしたりとか様々な検討をして、最終的に最も合理的で美しい形態になるように試行錯誤していきます。当然、この作業は建築設計の専門家に依頼するしかありません。