病院

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 病院は等しく人々が人生で大きくかかわる施設です。現代人は多くは病院で生まれ、病院で死を迎えます。いつごろから病院という施設が存在したのかは、筆者は存じませんが、このような施設は社会の公共施設としては最も大切なものの一つといえるでしょう。
 日本においては、病院という言葉と診療所という言葉が分けて使われています。病床数が20以上のものが病院、19以下のものが診療所となっています。最近では、大病院に難病などの治療をしてもらうために、大学病院などや市立病院には簡単には行けなくなりました。一次診療の所謂ホームドクター制度により、まずは近所の診療所で診てもらい、特別な場合に紹介状をもって大病院に行くということになっています。
 診療所も患者さんに不安感を持たれないようにいろいろと工夫をして、リラックスできるような雰囲気づくりに努めているところが増えてきました。待合室の椅子も洒落たデザインの座りやすいものが選ばれているところも多いです。また、静かな環境音楽を流したり、空調換気設備に香りを入れたりといったことをしているところもあります。大病院でも、木のぬくもりを感じさせるような内装にしたり、またこのような病院では一次待合の次に二次待合があり、そこでやっと診察室に入れるわけですが、この時に多くはマイクを使って呼び出されることが多いですが、いちいち医師がドアを開けて呼んでくださるところもあります。
 このように、最近では様々な工夫をして患者さんに不安感を与えずに診療をしていこうという努力がされています。
 建築的に温かいリラックスできる雰囲気づくりはもちろんですが、医療体制としての細やかな心遣いが必要になってきています。