擁壁のある土地に南面オープン地下室のある家

擁壁のある土地に南面オープン地下室のある家

 
擁壁のある土地の場合、建て替えの際に建築基準法・施工・予算的によって、建て替えが難しくなる場合があります。
三村邦彦建築設計事務所三村邦彦さんの設計した横浜市南太田斜面地の家の場合、お施主さんは15社以上のハウスメーカー・工務店・設計事務所に相談しましたが、なかなか建て替えに至りませんでした。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 三村邦彦建築設計事務所 三村 邦彦 の写真
藤沢市鵠沼海岸7-12-13
0466-31-1770

 

地下室について知っておきたいポイント

地下室を建てる前に知っておきたいポイントをご紹介します。

地下室の費用

水回り等を地下室に設置するのを避ければ多少コストを削減することができます。
地中なので鉄筋コンクリート造となります。
地下室というと掘削するイメージがありますが、傾斜地などでは掘削がすくなくても地下扱いになる場合もあります。

形をシンプルにすることでもコストを下げることができますが、中途半端に小さいと面積当りの単価が高くなります。
バランスをみることが大事です。

地下室で普通に生活をしようとすると、地下にお風呂・台所・トイレなどの水廻りを設置する場合、排水設備でコストが嵩むので、予算を抑えたい場合には、地下室に水廻りを置くのを避けましょう。

地下室のメリット・デメリット

地下室は防音性に優れており、シアタールームなどにピッタリです。
また今回の事例では、擁壁一体型にしたので建築費用を抑えることができました。

地下のデメリットとしては、湿気対策をしっかりすることが重要です。
地下室はオーダーメイドになるので、ハウスメーカーは対応が出来ないので、ノウハウのある建築家に任せるのが安心です。

地下室の自作

基本的には、地下室を作ってから上物を建てるため、後から自作で付け足すのは難しいです。
地下室が欲しい場合には、計画・検討前の段階で建築家に相談をするのがお勧めです。

地下室と容積率

地下室は容積率に延べ床面積の半分までは含まれません。
例えば、総2階建てだったら、1フロア分は含まれない計算になります。

地下室の湿気対策

壁を二重にしたり、換気ダクトなどを通します。
エアコンを除湿で運転するのも効果的です。

地下室の増築

構造上難しいことが多いですが、隣に敷地が空いていてそこに地下室だけシェルターのように作るのは可能だそうです。
既にある地下室は、コンクリートを活かして内装リフォーム・リノベーションも可能です。

地下室の水害対策

大雨のときに水位が上がるようなところにはおすすめできません。
地下水位が高いところもあるので、地下水位にも注意が必要です。
防水は設計段階できちんと対応する必要があります。

地下室の維持費

換気ダクト・エアコンの電気料金が掛かります。
場合によってはエアコンを除湿でずっと回してもらった方が良いこともあります。

地下室とオーディオルーム

防音的なメリットがあります。

地下室を居室にする場合の採光

立地によりますが、完全に掘り下げた地下の場合は、ドライエリアを作ることで採光を確保できます。

地下室の断熱

地下室は、外気の影響を受けないので夏は涼しいし冬は暖かいという特徴があります。
断熱を施しておかないと結露しやすいので注意が必要です。
地下であれば、地上階の部屋よりも断熱はしっかりとした方が良いです。

地下室の内装

内装の制限はありませんが、湿気が強いので、調湿効果のない壁紙は向きません。
安いクロス張りは避けましょう。

事例紹介:横浜市南大田斜面地の家

お住まいになるご家族

40代のご夫妻と中高生のお子さん2人

間取り

地下にシアタールーム兼書斎
1階にリビングダイニングとパントリー
2階には寝室とリフレッシュコーナー、洗面・脱衣室に浴室、ウオークインクローゼット
3階には2つの子供部屋

横浜市南大田斜面地の家

↑横浜市南大田斜面地の家・平面図・断面図

土地の状況

親御さんが所有する敷地があり、親御さんの家のお隣に建築をしました。
西側には親御さんご世帯のお宅があり、東側は道路に面しています。

傾斜地で、南側がさがっており、北側はあがっています。
元々は親御さんが家庭菜園として利用されていた傾斜地で、南側に古い擁壁がありました。

南傾斜地なので日当たりは良好、駅からのアクセスも良い好立地です。

問題点

お施主さんからは、「既存の擁壁を新しくしつつ、家に至るアプローチも改善して欲しい」というご要望がありました。
今回のように古い擁壁がある場合には、合法的な擁壁であるかをまず確認する必要があります。

主に敷地条件とコストの問題が大きく、ハウスメーカー・工務店・設計事務所に相談しましたが、契約に至らなかったり、契約破棄になったりしたそうです。
設計事務所への依頼を決意し、三村さんにお話をした頃には、最初に家を建てようと考えてから約7年もの月日が経っていました。

擁壁と地下室を一体化させることで予算を削減!

最初の概算見積もりでは、予算を2,000万円オーバーしてしまいましたが、施工会社の尽力や仕様の見直しなどにより、最終的には当初予算に200万円プラスという形で収まりました。
工事会社の手が空く時期を選んだり、地下室のコストを抑えるポイントを踏まえたりすることで、予算を削ることができます。

また今回のように、別に擁壁を作るのではなく、擁壁と部屋を一体型にすることで、工期を短縮したり予算を削減したりすることができます。
古い擁壁にはいくつかの問題がありま、そのまま使用することができませんでした。
地下に設けたシアタールームは、「新しく擁壁を作るより、趣味の部屋を作りましょう」という三村さんからの提案です。

擁壁を作るのは、建築会社ではなく土木会社であり、許認可を取得するのにも時間や工数が掛かります。
擁壁を建物と分離すると、その分コストが高くなります。
特にハウスメーカーは擁壁分離型しか対応できないケースが多く、見積もりが高くなってしまう傾向にあるそうです。

その他に工夫した点

ロケーション的には南斜面なので、南側の眺望をいかしどこの階からも景色が見られるよう、バルコニー・ルーフテラスを設置しています。
1階と2階の動線は階段の回りを回廊する形になっており、家事動線に優れていて、生活しやすいのも特徴のひとつです。

シアタールームのアクセントになっている石壁は、数量が少なければそこまでコストは掛かりません。
新島の軽石を使用しており、見映え以外に軽さだけではなく吸音効果があるのも特徴です。
現在では、映画を見るだけではなく、お子さんのカラオケルームとしても活用されています。

大幅なコストカットを実現したのは、随所にみられる工夫です。
例えば、洗面台は2つのボウルを使用していますが、メーカーのものだと30万円程度になってしまいます。
ボウルを入手して大工さんにお願いすることでコストカットを実現しました。
既製品を使用するだけなら楽ですが、値段が高かったりマッチングしなかったりすることも多くあります。

また、外装は「ガルバリウムでシンプルに」というご要望がありました。
メンテナンスがほぼかからないだけではなく、3階建てなので重い瓦を避け屋根の軽量化を実現しています。

三村さんが手掛けるお宅は、敷地的に傾斜地などの問題を抱えているケースも多くあるとか。
だからこそ、経験をいかして適切のアドバイスをすることができるそうです。

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