自然素材を使ったメガネ店・(株)アトリエ Y&R 栗城裕一さん


メガネ店などの商業建築はオーナー様のアイディアを大事にして設計専門家としての独自のアイディアをご提案して、オーナー様と相談してより一層よいものにしていく行為がとても大切です。

メガネ店について(株)アトリエ Y&R 栗城裕一さんに伺いました。

お話を伺った建築家

 

ユーザー 株)アトリエ Y&R 栗城裕一 の写真
世田谷区松原2-3-2まつばらテラス102
03-3327-7097

貴社がメガネ店を手がけるようになったきっかけがありましたら教えてください

チトセメガネはオーナーが高校のときからの親友でして、最初の店を出す時からお手伝いさせていただいております。
店のロゴも私が作らせていただきました。
 
経堂のお店はチトセメガネから独立した弟さんのお店です。
この弟さんも彼が学生の時から存じ上げていまして、チトセメガネでの仕事上のお付き合いから独立する際に設計を依頼されました。

メガネ店の平面計画で注意している点を教えてください

メガネ店に限らずですが、商業建築の場合はオーナー様がいろいろなアイディアをお持ちのことがほとんどです。
商業建築は、昔はオーナーが設計するということが当たり前でした。

メガネ店もオーナー様のアイディアを大事にして設計専門家としての独自のアイディアをご提案して、オーナー様と相談してより一層よいものにしていく行為がとても大切だと考えています。
それが繁盛店をつくる秘訣と思います。

特に高度な技術を必要とするこの種の店舗は、綿密に打ち合わせを重ねる必要があります。
各部分の寸法についてはとても大事になりますので、実際の寸法でシミュレーションすることが必要になります。

メガネ店の場合、特に注意しなければならないのは商品を手にとりやすく、かけてみてどうかなあとお客様が確認を簡単にできるようにすること、また検眼や補聴器の聴力検査室などの設備に対しても機能的な観点と空間的な、また全体の店舗イメージとの兼ね合いでのよりよい着地点の設定を熟慮しないといけません。
検査機器については、必要とする寸法というものがありますので、その寸法を保つことは重要なことです。

また補聴器室は防音の配慮が必要ですし、レンズの加工を行う加工室での研磨機の音も売り場に影響が出ないようにする必要がありますし、加工室から売り場が見えるようにすることも大事なことです。
陳列してある商品をよりよく見せるための陳列什器等の設計はもちろん最重要な設計課題となります。

メガネ店の内装で注意している点を教えてください

住宅でも他の商業建築でもそうですが、なるべく自然素材を使いたいと思っています。
特に木という素材は年月とともに味わいが増してきて古さよりも素敵感が増していきますのでよく使います。
素材の良さを生かすために仕上げはオイルフィニッシュとしています。

メガネは落とすと割れる恐れもありますのでこれに対する配慮も必要ですので、床にはカーペトを採用する事が多いです。
これはお客様との会話が、吸音効果により聞き取りやすくなるという効果もあります。

また壁面にも場合によっては一部穴あきの木材のパネル(もちろんオイルフィニッシュ)を使ったりして吸音に配慮しています。
また、必須の鏡は内装仕上げ材のひとつとして重要な素材と考えています。

メガネ店の外装で注意している点を教えてください

ほとんどが賃貸ビルでの開業となることと思いますので、ファサードについてはシャッターのみの場合かすでにサッシが組み込まれているという2パターンになると思います。
それぞれで工夫して店舗の存在を知らしめることと防犯のことを考える必要があります。

また屋号の表示をどうするかということも重要な設計課題となります。
また、店舗前部分を明るくするというのは大切にしたい部分です。

チトセメガネの設計で工夫した点がありましたら教えてください

チトセメガネでは建て替え前の店舗より狭くなるということで、全体に補聴器検査室以外は空間がつながっています。
検眼室も独立したものは設けていません。
あるていど商品陳列スペースとつながっていてもよいという方針で、ガラスのパーティションにケースメントを使った間仕切りという設計にしました。

補聴器室は防音の配慮が必要ですので独立した空間が必要ですが、使用していないときには中が見えやすいように引き戸にして普段は開けておけるようにしました。
これらのことで狭さはある程度克服できたと思っています。

以前の店舗でも使っていた陳列什器(米松)を生かしたいというお話でしたのでクリーニングをして島型の陳列什器として使っています。
そして同じ米松という素材を壁面に使い調和を図っています。
これは一部に穴をあけて吸音効果を持たせています。

また、鏡は壁面のディスプレイシステム(オカムラ/インヴィジブル6)を使ったLED照明部分との間に設けて、お客様が手に取った商品をかけてみてすぐに確認できるようにしています。

接客カウンターは設けずに陳列を兼ねた小さいテーブルをつくりここで出来上がったメガネの装着具合を確認していただくようにしています。
加工室からは熱線反射ガラスにより売り場を見ることができますが、売り場からは加工室が見えにくいというようにしてあります。

賃貸ビルの1階ですので、ビルそのもののファサードをどれだけうまく使うかということでもいろいろと工夫しました。
まず防犯上のシャッターがありませんでしたので、自動ドアを入ったすぐの部分を閉店後はショーウィンドウとして使うアイディアを提案しています。

両サイドの柱型にはLEDの演出パネルを組み込み一部に映像モニターも組み込んで所謂デジタルサイネージとしてメッセージ性の高いショーウィンドウとしての効果を一段と増しています。
柱と柱との間は紗幕を垂らしてショーウィンドウの背景としています。

またこの部分の床はビルオーナー側の工事で仕上げてありましたので、それをそのまま使っています。
これは奥の売り場部分のカーペットとの対比で、ある種のゾーニングができていていますのでこれはこれでよかったかなと思っています。

また屋号の表示にもいろいろと気を使いました。
なにしろそのような表示ができる部分がありませんでしたので。

メガネ・補聴器/経堂の設計で工夫した点がありましたら教えてください

この店舗はチトセメガネよりさらに狭く、三角形という平面、さらに駅からの道中では店舗がみえにくいという課題がありました。

こちらはメガネよりも補聴器を主体とする店舗ですが、検眼、聴力検査を行うのは変わりありませんので必要な機能と空間との調和を大事に、しかも狭さを克服する必要がありました。
独立型の加工室は極力最小限で済ませ、カルテケースもオリジナルなものを作り、売り場に出してしまいました。

もともとシャッターがついていましたので、その外側に木製建具で入口をつくり温かい雰囲気を醸し出しています。
売り場部分の右側にはサイネージ壁面と商品陳列スペースを作りました。
そのためもともとあったドアは壁で隠してしまうことにしました。

陳列什器は平面の形から三角形のものをオーク材で作りました。
珪藻土による壁には陳列用ニッチを設けてオリジナルな雰囲気を醸し出しています。

また補聴器室の建具にもオーク材を使用して温かみを感じるようにしています。
統一したモチーフとして三角形の窓を穿っています。

検眼室は建具ではなくカーテンで仕切ることで売り場とのつながりがより強くなっています。
売り場のひとつの丸テーブルが接客テーブルになっていまして、店舗空間の家庭的な温かみに寄与しています。

入口の外側には植物や案内チラシ置きなどの什器を置いて道路側にアイキャッチのアクセントを配慮しています。
サイネージ壁面は改装により現在はチトセメガネと同じようにLEDの演室照明と映像モニターとでさらに効果的な壁面と変化しています。

メガネ店を開業したい方にアドバイスがありましたらお願いします

メガネ店は物販店舗ではありますが、技術を売るという大事なものがあります。
まあテーラーと同じ職人的な世界でもあるわけです。ですから、その誇りを感じさせる品格が求められます。

いわゆる安売りを標榜しているチェーン展開している店舗とは違ったものでなければなりません。
店舗オーナーの誇り、技を伝えるための空間つくりを必要とします。

それには使われる素材にも慎重な配慮が必要となります。
ご自身の求める店舗イメージをしっかりと設計者に伝え、その提案をいろいろな角度から検討して意見を伝え合って理想の店舗としていただきたいと思います。

株)アトリエ Y&R 栗城裕一さんのメガネ店・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
チトセメガネ

建て替えにより狭くなった店舗をいかに効率よく魅力的に作るかが課題でした。接客テーブルをオリジナルで作成し、以前の店舗で使っていた米松の陳列什器を生かしつつ、LED壁面照明とVISPLAYを使ったショーアップの自由度を持たせた構成にしました。

メガネ・補聴器/経堂

経堂駅から北へ徒歩6分のところにある、補聴器をメインにしているお店です。三角形の変形の空間で、しかも狭いところをいかに魅力的に作れるかがポイントでした。自然素材による、経年変化を視野に入れた温かい空間は、時代の流れに左右されずに魅力的に生き続けます。

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