日進月歩の診療技術に対応できる眼科・株式会社 深沢義昭設計事務所 深沢 義昭さん
眼科は日進月歩の診療技術に対応していくため、診察室、検査室、受付にはフリーアクセスフロアを採用して機械配置の自由度を確保する必要があります。
眼科について株式会社 深沢義昭設計事務所 深沢 義昭さんに伺いました。
眼科の外観で注意している点を教えてください
商業施設である以上、えてしてその存在を認知していただくようなインパクトのある外観や色使いを求められることがありますが、当計画は近隣建物と比較して高さがあること、人通りの多い商店街の出口部分に存在すること、私鉄沿線にあり電車内からも建物が確認できること等多くの人に視認してもらえる条件がそろっているため、逆に静謐な佇まいを感じさせるような落ち着いたデザインのファサードを目指して設計を行いました。
商業施設の存在をアピールする役目は通行人のアイラインにある看板に任せ、むしろ看板のメインカラーとなる緑色を引き立たせる色使いのアルミパネルを採用し、相互補完の関係を成立させる外観としております。
眼科の平面計画で注意している点を教えてください
視力検査スペースやコンタクトレンズの着脱練習場、検査用の暗室が必要な眼科という科目の性質上、検査室に多くの床面積が必要です。
その検査室と、患者さんを一番最初に出迎える受付という2つの機能の中心位置に院長が診察を行う診察室を配置し、患者さんに関する情報がスムーズに伝達されるようなゾーニングを崩さず、従業員の皆様がストレスなく動ける平面計画を目指しました。
また通院される患者さんは子どもやご老人が主体となるため付添人がいることが多くなります。
そのため、待合室は中待合のスペースも含めてできる限り広いスペースを確保できるように工夫しました。
眼科の設備計画で注意している点を教えてください
接触感染をふせぐため、自動水栓、自動ドアまたはフリーストップ機能の付いた引き戸を多用しました。
手術室についてはHEPAフィルター組込みの換気設備を採用し、空気清浄度の高い室内環境を維持しています。
また、日進月歩の診療技術に対応していくため、診察室、検査室、受付にはフリーアクセスフロアを採用して機械配置の自由度を確保しました。
眼科の動線計画で注意している点を教えてください
カルテの動線と患者さんの動線が混戦しないようにすることをマストとして計画しました。
休憩時間の従業員動線、診察時間外の手術室への動線についてはある程度の割り切り、優先順位をつける形で計画をしております。
目の悪い方が訪れる場所ですので、床段差は0とすることを絶対条件としました。
眼科の内装で注意している点を教えてください
目に優しい木目の家具や腰壁と淡い白色の壁材を採用しました。暗室の場所が将来にわたって特定されているのであれば、当該箇所の内装は暗めの色としてもよいと思いますが、今回の計画ではフレキシビリティを重視しているため内装は統一して提案させていただきました。
S眼科で工夫した点を教えてください
要求される床面積を少しでも確保するため、階段やエレベータといった縦動線を省スペースで機能的な計画とし、使える容積率を上限ぎりぎりまで活用しております。
眼科を開業したい方にアドバイスがあればお願いします
先生によって考え方が違うかもしれませんが、現状の設備状況でベストとなるような計画よりは、変化に追従することが可能な計画にという設計主旨のもとに計画をすすめさせていただきました。
医療機器やセキュリティ、電子カルテ等、開業するにあたっては様々な業種の方と打合せする機会があると思いますが、その際には設計者と各業者とが直接打ち合わせを行う機会を設けていただきますとスペースの有効活用や工事、設置時期の調整ができ、結果的にお使いになる先生のためになると思います。
株式会社 深沢義昭設計事務所 深沢 義昭さんの眼科・設計事例
画像 | 建物の名称 | 紹介文 |
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S眼科 | 診療科目の性格上、お施主様から厳しく要求されたのは建物内の清浄度です。 |
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