木造戸建住宅の耐震診断2 (Iw値)
自治体による助成制度を使って耐震改修工事を行う場合は、それぞれの助成要綱があり、それに従いながら進めることになります。(助成金額は都内でも各区により違います。)
診断の仕方は、国の定めた基準((財団法人)日本建築防災協会 による「木造住宅の耐震診断と補強設計」)に基づいていることがほとんどで、一般診断法と精密診断法があります。
一般診断と精密診断の大きな違いは、現地での建物をより細かく調べる、場合により、一部壁などを剥がす、などするのが精密診断です。調査の費用は掛かりますが、建物の状態を細かく調べることで、補強する方法、個所を適切にできる(結果として工事費が抑えられることもある)ので、弊社はこの精密診断法を採用しています。
現地での調査の内容ですが、外壁、内壁の位置(図面が有る場合は照合する)及び壁の材料、劣化程度の確認、(壁の材料により、地震時に抵抗できる耐力が違いますので、一概に壁が多くとも地震に強いとも言えません。)床下、天井裏を見て木材の腐朽の有無、劣化程度、接合部金物の有無、柱・梁などの架構を調べます。その他、基礎コンクリートの亀裂調査、鉄筋探査機による調査など、また、増築部分があれば、接合部の状態など、を一級建築士の私が行います。(ご参考程度に現地調査時の写真を添付します)
現地調査の資料等を持ち帰り、壁、屋根材料、建物の重量等を耐震診断の認定PCソフトに入力し電算計算を行い、大地震時(震度6強)に対しての評点(現在の建物の耐震性)を算出します。(耐震の評点の基準はあくまでも「大地震時」です。)
評点1.0~1.5未満が「一応倒壊しない」程度となっていて、0.7未満は「大地震時に倒壊する可能性が高い」、となり耐震改修の必要があり、助成制度が受けられる前提ともなります。
従いまして、診断は評点(Iw値)という評点を算出するということになります。
耐震改修工事をする上では、まず、現在の建物の耐震性能を把握することが初段階です。