土間空間の有効活用術

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

土間空間とは、以前は床仕上げをせず、地面の土をそのまま露出して三和土にする空間を意味し、京町家をはじめ地方の古民家などでよく見かけられます。

ただ最近では、三和土ではなくコンクリート金ごて仕上げ、石貼りやタイル貼り、玉砂利の洗い出しなどといった仕上げの土間空間がよく見られますし、私の事務所でもそれらをよく採用しています。

写真にある土間もタイル貼りの玄関土間となっていて、玄関によくある上り框(靴を脱ぐ段差)をあえて設けませんでした。

この住宅は地方都市にあり、近所付き合いの多い建て主様で来客が頻繁にいらっしゃるのですが、この広い玄関土間は靴のままで良いので、このスペースにテーブルと椅子を配置してちょっとしたサロンのような感じをイメージして設計しました。

写真の左側には、玄関土間と同じタイルが貼られた広い中庭があるので、来客とのお喋りも中庭を見ながら楽しめるように演出をしました。

そのほかにも玄関土間がある住宅では、建て主の趣味である自転車を室内である土間空間に置くことにより、大切な自転車を風雨や盗難から守ると同時に、室内でのメンテナンスが可能になったりと便利な空間です。

また赤ちゃんのいらっしゃるお宅ではベビーカーを、ご高齢の方がいらっしゃるお宅では手押し車や車椅子のスペースとしても有効活用出来る空間となります。