間取りの工夫 

ユーザー 林泰介建築研究所 林泰介 の写真

LDK一体型の間取りが多くなってきたのは僕が独立した頃、、20年前くらいかなぁ、
若手建築家がローコスト住宅を手掛かりに仕事をするようになり、コストダウンも計れるので多くのLDK一体型の間取りが造られたと思う。
キッチンが家の中心にあり、家事をしながら見渡せるというのが主婦層にアピールをして、
上記のようなメリットも多くあるのだが、もちろんデメリットもある。
ハウスメーカーから建売までほぼ同じタイプの住宅を作るようになった。よく言えばプロトタイプとして根付いたのかもしれないが画一的な間取りは退屈でもある。
そもそもキッチンは家事の中心なので雑然としてしまうのが普通で、片付いてないとお客さんも呼ぶのに大変である。
キッチンに居てみんなとワイワイできるという事は逆に水仕事の音や家事の音がリビングにも聞こえるという事でもある。

実は僕はリビングとダイニングキッチンは別のほうが良いのではないかと思っています。
以前にお施主さんから「食洗機の音がうるさくてキッチンは別が良い」という事を聞いてプランした事が最初でした。
「ハレとケ」、、ダイニングキッチンという日常的に生活感がある空間とリビングという少し照明も落としてゆったりする空間はそもそも性質が違うのです。
ダイニングでご飯を食べてからリビングへ移動する少しの距離が気持ちを変えてくれるのです。その間に庭などが見れる箇所を通るとより良いと思う。
少しの余裕が感じられる間取り、設計デザインとそういう演出する事だと思う。