◆ 階段について

ユーザー 有限会社滝下秀之建築アトリエ 滝下秀之 の写真

『階段』を辞書で検索すると「高低差のある場所への移動を行うための構造物」とあります。
しかし、私は『階段』にそれ以上の効果を求めて設計しています。

■ まず必ず考えることが、【空間を演出する装置の一つ】になっているかということです。逆に言えば、移動を行うためだけの一般的な階段によって空間(部屋)を平凡なものにしてしまうケースがまま見受けられるからです。

■ 次に階段を設置することで【広さや奥行きを演出】することです。例えばらせん階段にした場合、階段の向うの壁が見えることで、視覚的に空間が狭くなっておらず、むしろ上から光が差し込んでいたりすると、人間の想像力が働き、さらなる広さを感じるものです。

■ さらに階段を付けるということは、そこの部分が必ず吹抜けになるわけですから、そこを利用して【採光と通風の場所】にしています。

以上、私の階段3ヶ条ですが、それ以外でスキップフロアの家などには、そこの部屋と半階上隣の【部屋の繋がりを強める装置】として部屋の巾と同じ幅広階段にしたケースもあります。半屋外ですが私の自宅でも幅広階段を設置したところ、子供たちは階段を椅子やテーブル変わりにカードゲームをしたり、マンガを読んだり、リビング以上に居心地の良い場所だったようです。

①鉄骨のらせん階段
 玄関から階段越しに、中庭(ライトコート)が見える。

②木製(集成材)のはね出し階段
 手摺と階段だけのシンプルな階段は、キッチン上部のロフトへ行くだけの階段なので巾は60cm。

③鉄骨のストリップ階段
 踏板は木製。キッチン側から階段裏を見てもケ込板がないので、向う側が見え視界の妨げにならない。

④踏板が強化ガラスの鉄骨階段。
 2階から屋上へ行くこの階段は、屋上からの光を2階、さらには1階にまでもたらす。

⑤スキップフロアの空間を繋げる幅広階段
 リビングと半階上の子供部屋を繋げる階段。子供部屋の下はビルトインガレージ。子供部屋の半階上は書斎。

⑥半屋外にある鉄筋コンクリートの幅広階段とスロープ(斜路)
 奥に見える巾が3mある階段は、子供の絶好の遊び場。左に見えるスロープもスキップフロアの各階を緩やかに繋ぎ、楽しい空間を演出する装置として機能している。