RC住宅の壁面断熱材(外断熱工法)

ユーザー 中川龍吾建築設計事務所 中川龍吾 の写真

RC構造の建物では、さまざまな性能面でのメリットから、
私は外断熱工法を採用するようにしていますが、
ここでは従来の製品とは異なる素材をご紹介します。

ドイツで生まれ、ヨーロッパでの実績が多いものですが、
日本での普及はまだまだこれからのものです。

ここでご紹介するのはロックウール素材のものです。

この素材の特徴はまず第一に耐火性です。

日本でこれまで外断熱に使用されてきた断熱材は、石油化学製品である樹脂性のボードでした。
これは当然熱には弱いものですので、環境問題の観点もあると思いますが、ヨーロッパでは今回使用したような熱に強い素材に移行してきているようです。

また、これまでのボードでは曲面への追従性が低いものでしたが、
曲面状の壁面にも施工がしやすいものです。

ところでロックウール板についてですが、
ロックウール自体は、鉄骨の耐火被覆に使われたり、室内の断熱や吸音材等に古くから使われているもので、特殊な素材ではありません。

しかしこのロックウール板は、日本ではこれまで見たことがなかったのですが、ラメラ構造というもので繊維の方向が板と直行しているものです。

これにより、壁に断熱材を貼り、その上に仕上をしてもその仕上が垂れ下がったりしないというものです。
(断熱材の厚さ24センチまでは補強なしで施工が可能だそうです)

ドイツでは、改修する建物も含めて断熱の工法として外断熱工法とすることが義務付けられているとの事。

省エネや環境問題の観点からも、日本でも更に普及することを期待する断熱材です。