あたたかな木の住まいづくりのために(マンション編 part6)
さて、マンション編も6回目を迎えました。当初はペースが掴めず、まちまちの更新間隔でしたが、週刊(若しくは週1~2回)程度の更新ペースが妥当かと思いますのでお付き合いの程、宜しくお願い致します。
今回は内装材の選択について触れてみたいと思います。「あたたかな」と言うタイトルとは直接関係ないのかもしれませんが、後日又その辺りも触れてみたいと思います。
先ずは、床材についてです。私共では主たる部屋の床材には、99%以上の確率で無垢材を使用します。もっとも多いのが杉です。
私が個人的に好きで住まい手からの、ご要望も多いと言うのが理由になりますが、他にも持ち山で獲れた桧を使った例もありますし栂、カラマツなど国産の材料を多く用います。
但し、無垢材にも長短両面がありますので、その点をご理解頂いた上で採用されるか否かをご判断頂かなければいけません。
長所としては先ず、肌さわり(足触り)が良いこと、独特の香りもします、温か味がある(理由は又後日述べます)など、五感に訴えかける項目が挙げられます。
短所としては、反る、曲がる、割れる(必ず、そうなると言う訳ではありませんが、そう言った可能性が新建材よりも高い)と言った目に見えるリスクが高いため、無垢材を扱い慣れていない業者さんは敬遠しがちです。無垢材を使いたい場合は業者選びも慎重にしてください。その場合「無垢材はちょっと」と言う返事が返ってくるような業者さんは避けた方が賢明です。
又無垢材は物を落とした際に傷がつきやすいと言うのも特徴ですが、特に柔らかい杉の場合はてきめんに傷はつきます。それを味わいと捉えられる心の寛容さがある方でないと無垢材はお勧めできません。
只、傷がついたとしてもその補修が簡単なのも無垢材の良さでもあります。
最近では自然素材がブームのようになっているようにも見えますが、それ以前から取り組んでいる私共からすれば、長短両方の説明をしておかなければ後々、起こってくる問題が目に見えます。
無垢材だから絶対安全と言う訳ではありません。桧の匂いが駄目と言う方も、ごくたまにいらっしゃいますし、もっと他の無垢材に反応を示される方もいらっしゃることと思います。
無垢材を使いながら短所ばかりをあげつらってしまったように思いますが長所も一杯あります。
今回は感覚的なことが主となりましたが、次回はもう少し科学的根拠も取り入れながら、無垢材について書いてみたいと思います。
写真は持ち山の桧をフローリング加工し採用したリフォームの実例です。丁度、廊下に貼る分だけ無節の材料がとれました。