土地区画整理事業を施行すべき区域について
数年前に引き渡しをした二世帯住宅の土地は、東京23区内の「土地区画整理事業を施行すべき区域」という法律に指定された場所でした。(以下、「すべき区域」とします)
ちなみに、私の設計事務所もある東京都練馬区では、なんと区の面積の約44%つまりほぼ区の半分の面積がこの「すべき区域」になっています。
「すべき区域」は、都市計画法第12条の市街化開発事業に該当するため、この区域内の土地でおこなう建築行為においては、都市計画法53条に基づく許可が必要になるのです。
つまりこの区域内で住宅等を建築する際には、確認申請とは別に事前に都市計画法第53条の許可申請を行政機関にしなければならないということです。
しかもこの許可を受けることが出来るのは、ある基準に該当する建築物でないといけないのです。
例えば、東京都練馬区の「すべき区域」内における建築制限緩和の基準は以下のとおりです。
1、建築物の敷地に係る土地区画整理事業の実施の実施が近い将来見込まれていないこと。
2、階数が3以下であり、かつ地階を有しないこと。
3、主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造、その他これらに類する構造であること。
4、建築物が「すべき区域」の予想街路の内外にわたる場合は、将来において予想街路の部分を分離できるよう、設計上の配慮をすること。
以上の要件に該当し、かつ容易に移転し、又は除去することができるものとする。
したがって、例えば鉄筋コンクリート造(RC造)の建築物や地下室のある建築物を希望される建て主さんは、この「すべき区域内」の土地は購入しないほうが良いでしょう。
ただし、この緩和基準のうち、上記の2または3に該当しない建築物については条件付きで建築規制の例外的な扱いとして建築が許可される場合があります。
つまりは、さらに手続きとして書類等の提出が必要となり、それだけ日数も余計にかかってしまいます。
かなり細かくまわりくどい言い方になってしまいましたが、要するに自分達が購入を考えている土地が果たしてこの「すべき区域」内なのか外なのかを購入前に必ず行政機関で自身で確認するか、不動産会社へ問い合わせをすることです。
もちろん、土地購入を検討される際にはこの点と合わせて用途地域をはじめとする法規的な項目と、境界杭の有無や道路の種別、敷地の接道長さ、ガスや水道の引き込みなどチェックする点は数多くあります。