人に優しい上吊式引戸

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

先月竣工した住宅では、室内建具の全てを引戸に統一しました。

引戸には大きく分けて二種類タイプがあり、一つは引戸の下部に戸車が付いていて床面に溝が掘られたレールのようなものが埋め込まれた戸車式、もう一つが上吊式と言って引戸の上部に滑車のようなものが付いていて、壁の上部に敷かれたレールの中を左右に動く仕組みのタイプがあります。

ここ最近、私の設計する住宅では、室内の木製建具はほぼすべて後者の上吊式引戸にしています。
ドアに比べて使い勝手が良く、また場所をとらないからです。
(もちろん、造り付け家具収納では、両開き扉や片開き扉または折れ戸にすることはありますが。)

上吊り式は吊るタイプの引戸で、床にレールが無くてスッキリしている点が特徴です。
ただ引戸の場合、戸を閉めた時の音や指を挟んで怪我をしないように注意しないといけません。

そのような心配を解消するために、上吊式の金物内部にダンパーと呼ばれる機能が付いていて戸の先と尻の双方向にゆっくりと静かに開閉されるタイプを採用しています。

お子さんが思い切り引戸を開けたり、閉めたりしても壁の手前でブレーキが掛かる仕組みになっているため、先月竣工した住宅の建て主さんからも喜ばれました。

日本の建築金物メーカーの技術は素晴らしく、日々進歩をしています。