深い軒のメリット

ユーザー 芦田成人 建築設計事務所 蘆田 成人 の写真

子供に家の絵を描いてみて、と言うと多分、多くのお子さんは切妻屋根の絵を描かれるのではないでしょうか?それほど日本の家の定番スタイルとも言える家の形ですが、四季の移ろいがあり雨の多い日本では理に叶った形とも思えます。

軒に出があると言うことは雨から家を守ると言う意味合いが強いように思います。
雨から守ると言うのは、先ず家人を守る、そして建物自体を守ると言うことです。
特に建物自体を守ると言うのは、雨に濡れることで材料が傷みやすくなります、そう言ったことから守ると言う意味なのですが、もしお近くに軒の出のある家と無い家があるようでしたら、じっくりと観察してみて下さい。特に軒下の部分の汚れ具合が全く違っていると思います。汚れる即ち、家を傷める何かしらの可能性が増えることと同じです。
そのような意味で軒が出ているメリットはあると言えるでしょう。

更に、太陽高度が高くなる夏、低くなる冬を意識して軒の出を調整すれば、夏場の暑い日射しが直接、室内に侵入することなく、不快な夏を心地よく過ごせます。

但し、いくら軒を出していても太陽高度が下がる西日には効果が小さくなりますので、建物の外側に日除対策を講じて頂く方が賢明です。

写真はかなり軒を深く出した事例です。
高窓を配し、反射光で住まいの奥にまで光を回すように計画しています。