省令準耐火
木造住宅でも省令準耐火構造にすると、鉄筋コンクリート造・鉄骨造(T構造・耐火構造)並に火災保険料が一般の木造住宅(H構造・非耐火構造)に比べて、半額近く安くなります。数年前までは火災保険も長期で35年以上掛けることができたのですが、現在は10年が一杯です。初期費用としてその分補うことができるかというと、一概にはそう言えません。
準防火地域で、ビニルクロス・珪藻土・漆喰・塗装等の仕上げで有れば、大工さんの手間代も変わらず、基本的にその下地となる石膏ボードのグレード・厚みの変更だけで済むので、大きく費用は変わりません。
写真は、牧の家(省令準耐火構造内観)参照
しかし、
①吹抜・ロフト等有るときは、その内部に出てくるであろう木造の梁又は上階の床裏も全て石膏ボードで被覆しなければなりません。
②準防火地域・防火地域の指定が無い地域は、外壁・軒天・屋根・バルコニー等、ある一定の防火基準にしなければなりません。
ただし、防火地域の規制が無いので、サッシ等、防火戸仕様にすることまでは問われません。
③室内に板張りするときも、一度石膏ボードの下地張りをしなければ行けないし、木造の柱・梁をそのままあらわしたりすることはできません。
よって、大工さんの2度手間になったり、材料費も余分にかかったりするので、対費用効果は生じにくくなります。
省令準耐火構造住宅にするか、通常の木造住宅にするか、経験豊富な設計士さんに相談して決定した方が良いと思います。
写真は、鴛野の家(省令準耐火構造内観)参照。
省令準耐火仕様とは、建築基準法による準耐火仕様に準じる仕様で、住宅支援機構が定める規格・仕様を満足しなければなりません。
よって、確認申請の審査・検査とは関わり合いが無く、設計者の署名・押印したものを、証明書として火災保険会社に提出します。
準防火地域内の木造3階建ては、準耐火仕様等規制がかかるので、省令準耐火仕様は必要としません。
準耐火仕様は、省令準耐火仕様と異なり、設計手法によっては、柱・梁をあらわしても問題有りません。
写真は、生石港町の家(準耐火構造外観)参照。