農地転用

ユーザー 有限会社 アヴニール設計 伊藤 禎 の写真

農地を宅地にして家を建てるには、各市町村の農業委員会の許可又は届け出が必要です。いわゆる農地転用には大まかに農地法4条申請と5条申請が有ります。4条は耕作者自らが建物建設する場合等で、5条は当事者以外の人が建物建設する場合等を言い、それぞれ申請方法と流れがが異なります。
建築設計相談が有ったとき、まず建設地の確認をし、その場所・内容に応じて、土地の登記簿謄本の地目確認を行う必要が出てきます。都市計画法で言う市街化区域内であればまず問題有りませんが、市街化調整区域又は都市計画区域外では注意が必要です。住宅を建てたい場所が農地で、市街化調整区域又は農業振興地域で有れば、基本的には農地転用が禁止されている場所なので、手続きは複雑で結構大変な作業が伴います。手続きできないケースもありますので、事前に各市町村への確認が必要です。
農地転用するためには、耕作権又は地権関係、耕作者と住宅建設等事業計画者との関係、なぜあえて農地に建物を建てなくてはならないのかと言う理由書(目的)、生活排水や雨水処理・道路からの寄り付等土地利用(造成)計画、建設したい建物の計画及びそれらに伴う資金計画等が必要になります。
写真は宗方の家・・・平成15年(2003年)、市街化調整区域

市街化区域で農地転用する場合、基本的には届出だけで済みますが、一定以上の敷地面積又は敷地造成が伴ったりすると、都市計画法で、開発又は宅地造成の許可申請が必要になってくる場合があります。
都市計画区域内のその他の区域においても、同様に5条申請の届出だけで済む場合もありますが、許可が伴う場合もあります。事前に各市町村に相談した方が良いです。
写真左は佐賀関白木の家・・・平成18年(2006年)、5条届出
写真右は鴛野の家・・・平成28年(2016年)、宅地造成許可申請及び5条届出

都市計画地域外の農地は、農業振興地域になっている場合が結構多いので、まず、都道府県の事前確認が必要です。確認して農業振興地域で無ければ、次に各市町村の農業委員会への確認及び農地転用許可申請になります。
市街化調整区域ほどの規制は無いのですが、前述したそれなりの書類と許可までの期間(書類提出後1~2ヶ月)を要します。尚、農地転用許可申請の書類内容は各市町村によって異なるので注意が必要です。申請は申請者本人でも出来ますが、一般的に行政書士・土地家屋調査士・司法書士に依頼する場合が多いようです。その場合、土地利用計画及び建築計画だけ設計事務所で行いますが、その内容を農業委員会に説明する場合があるので、手続き共々、私の方で代行する場合も多々有ります。
写真は豊後大野澤田の家・・・平成28年(2016年)現在建設中、5条許可申請