LD(居間・食堂)

ユーザー ❨株❩アトリエ Y&R 栗城裕一 の写真

 LD(居間・食堂)という言葉は、今ではとても一般的です。食堂と居間とを同じ空間で造り込むことでスペースの節約ということになりますが、普通に造られているものはこの空間にダイニングテーブルもソファもおいてLDですというものが多いと思います。これはあまり広くない空間ですとかえって窮屈になります。そこで、思い切って、食事をするテーブルとくつろぐソファを組み合わせて設計するという方法が考えられます。この場合は、いわば食堂と居間を兼用にするということですので、どこかで折り合いをつける必要があります。ポイントはテーブルの高さとソファの座面の高さです。
 写真は約10.6帖ほどのスペースに大きな(1500角)のテーブルをL字型に囲んでベンチソファを造り、居間と食堂を文字通り兼用にしている設計です。テーブルの高さは640mm、座面の高さは360mm、ハンス・ウェグナーのYチェアはウェグナーさんには申し訳ないのですが脚を少し切らせていただいて座面を低くしています。ソファは背もたれのマットをはずせば、ベッド代わりにもなりますし、座面のマットの下は収納にして、思い出のアルバム、古い雑誌や新聞なども仕舞えるようにしています。
 この作り方のよいところは、大きなテーブルを囲んで子供たちは勉強、大人はご夫婦の会話をワインでも飲みながら楽しみ、家族のつながりを密にしてくれることです。