耐震-「安全・安心」とは

ユーザー 一級建築士事務所 株式会社 竹内建築研究所 竹内健 の写真

耐震-「安全・安心」とは

 弊社は都内において、平成18年より旧耐震(昭和56年以前の建築)の木造住宅の耐震診断・補強設計・工事監理に携わっております。累計では200軒以上のお宅に伺い、簡単な診断などを行ってきました。耐震性能に不安を抱えている方々のお話をまず聞くところから診断を始めています。(ご高齢の1人暮らしのお宅も多くあり、なかには世間話しの相手となり、1,2時間ほど、聞くこともありました。)
不安要素を聞いてあげること、そして専門家としての見解を伝えることだけで不安感を和らげることがあることを幾度と経験をしました。
その反面、耐震についての技術的・専門的な数値のみの説明の場合、不安の解消とならないことがあります。(工学的には安全であっても安心とはならない)もちろん、安心の根拠に安全が裏打ちされていることは当然ですが。

 「安全・安心」最近特によく使われる言葉です。(耐震に限りませんが)
「安心」は「安全」のように数値化できるものではありません。
耐震診断の現場で、改めて、それぞれの意味するところを学んでいます。
 耐震改修工事は(補強部分が仕上げ内に隠ぺいされる場合には特にですが)その費用対効果が見栄え上、解りにくいです。(地震が起こって初めてその効果が解る)
しかし、地震に対して強くなったという安心感を得る (日々、不安を抱えなくてすむ安堵)方々が多いことが関わっている実感です。(工事後によく言われます。)
 ただし、補強設計時には、耐震改修工事後、実際の地震が想定(震度6強)の震度以上で起り得ること、また、他の不確定要素などもあり、耐震性能を100%保証するものではありません、ことは付け加え説明し、ご理解頂いた上で進めております。