平屋のデメリット

ユーザー 芦田成人 建築設計事務所 蘆田 成人 の写真

土地の有効利用を計るために多層化、高密度化せざるを得ない都心の住まいと違い、郊外に行けば土地自身も少しゆとりがあり、平屋のゆったりとした建て方が可能です。

郊外と言うよりも地方と表現する方が相応しい私の暮らす地域でも平屋のリクエストは増えています。ゆったりと暮らせることや老後2階に上がることの煩わしさから開放されることもあり人気があります。
 
但し、同じ延べ面積(各階の床面積の和)の場合、平屋と二階建てで大きく変わるのは屋根面積と基礎のボリュームです。単純に比較するなら、平屋の場合は、それぞれが2倍になります。
 
屋根で考えると屋根仕上げ材、野地板、ルーフィング、断熱材、などの数量が増えます。
基礎ではコンクリートボリューム、鉄筋重量、基礎掘削土量、防湿フィルム、捨てコンクリート、砕石量、型枠、鉄筋の加工手間などが増えます。
 
これらが増えると言うことは当然コストも上がります。
 
又、仮に都心の住宅地で平屋を選択されるのでしたら、周囲との関係を良く見極めて下さい。
日当たり、視線など、よほどゆとりのある敷地で無い限り、周囲の建物の影響を受け日が射さない、近所から見下げの視線が気になり、常にカーテンなどを閉め切った生活を強いられ、息が詰まります。
 
平屋で建てることは即ち、様々な側面で、ゆとりが必要になると言うことですので、その点をお気を付けいただきたいと思います。