アパートの空き室対策

ユーザー ❨株❩アトリエ Y&R 栗城裕一 の写真

 アパートなどの賃貸用収益物件で、空室対策で頭を悩ましている大家さんは多いことと思います。ここでは、家賃設定の再確認、入居者条件の再検討などといった不動産屋さん的な立場からの話ではなく、建築的な話をしてみましょう。
 セルフカスタマイズマンションのところでお話ししましたが、入居者が原状回復義務がなく、自分の好みに内装をできるようにする方法もひとつの空室対策でしょう。また、共用部分のリフレッシュをすること、アプローチ部分の清潔さや明るさは入居者にとって大事なものになります。ワンルームや1DKなどの小さい住戸では水回りをグレードアップすることも有効なポイントになります。特にホテルタイプの、便器と洗面器が浴槽と同室になっているユニットバスを、便所だけでも独立させる方法は有効です。また、学生や単身者向けですと、浴槽は設けずにシャワー室にしてしまうこともプランを改造する際に検討の対象となります。というのも最近の若い人の傾向として浴槽に浸かっての入浴というのをしない人が増えているからです。
 いずれの方法も、空き室がこれからも増えていく状況にある日本の住宅政策では、長い目で見るとなかなか投資金額に見合うかどうかは難しいものもあるかもしれません。
 ですから、考えをガラッと変えて、福祉関係の建築に用途変更をするという方法も検討の余地があるかもしれません。