建築家と建築士

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 建築家と建築士という言葉はどのように違うのか、同じなのか、多くの人はよくわからないと思います。よく士業などという言葉で、弁護士、税理士、公認会計士など士のつく業種を呼びますが、これらはいずれも国家資格で、国でその技能、見識、知識などを認めて資格を与えているということで共通しています。この範疇に建築士も入るわけです。建築士には一級、二級などの資格のほか、構造、設備、あるいは木造に特化した資格(これは都道府県の認定資格)などがあります。 建築家というのは資格ではありませんので、自分で名乗ろうと思えば使えるというものであります。小説家とか画家とか、これらは資格ではありません。自らが名乗っているというものですよね。(まあ、世間が本人の意志とは関係なくそのように呼んでいるという場合もありますが)日本建築家協会という団体があって、そこでは一定の基準で建築家というものを規定していますが、国の資格ではないということが建築士との大きな違いになりましょう。また、建築士の資格を持っていても仕事のほとんどは積算業務という方もいらっしゃいますし、工事専門という方もいます。もちろん設計が専門という方もいて、世間一般の方々にはわかりにくいものとなっています。資格というものが一定程度の力量の目安にはなるとは思いますが、このようにその仕事の専門がどれなのかまでは、一級建築士、二級建築士という肩書だけでは判然としないというのが実情です。このことは、今後の課題として改善すべきところでしょう。