木造のメリット

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 木造のメリットというお題を頂戴しましたので、少しお話ししてみましょう。
 木造といっても、在来の軸組工法もあるし、最近多いツーバイフォー工法などもありますので、さて、どのようなメリットがあるかな?と考えてみましたので、いくつか取り上げてみたいと思います。
 軸組、ツーバイフォーにかかわらず、木造だからということで考えますと、曳家があげられましょう。曳家(ひきや)というのは、建物まるごと移動させて、違う敷地に据え付けるというものです。ほとんどは隣の敷地に移すというものですが、これは全体の重量が軽いということも大きく影響しているのでしょう。鉄骨やRCの建物の曳家は聞いたことがありません。
 建築費に関していえば他の工法に比べて安くできるということもメリットといえるかもしれませんね。他には建築した後の改築も比較的容易であるということも大きなメリットでしょう。特に在来の軸組工法ですと、柱や梁をバラバラにして解体後、全く違う場所にまた組み立てなおして作り上げるということも可能です。昔の農家などで立派な柱や梁で造られたものなどは、このようにして移築することで、新しい空間として甦るといったことはよく行われています。
 建築工期も鉄骨造やRC造に比べて短いということも長所ですね。先ほど申し上げた重量が軽いということは、基礎や地盤改良などにも大きく影響して、軽微な基礎で済むとか杭が不要の場合がほとんどといったことは、工期、予算にとても関係しています。
 メリットがあるということは、デメリットもあるわけで、建物を造る場合には諸々の条件を考慮して最適な工法を選択しなければならないことはとても大事なことであります。