自然素材の家

ユーザー 芦田成人 建築設計事務所 蘆田 成人 の写真

「自然素材の家」と偏に表現しても、10数年ほど前とは違い、その目指す所は様々にあると思います。
例えば、床には無垢材、壁には珪藻土や簡易な漆喰などが使われていれば「自然素材の家」と表現している場合もあります。この場合は、構造材が集成材、下地に合板などが使われていてもそこには触れられていないこともあります。見え掛かりの部分が「自然素材の家」と言う事です。
 
 
又、もっと素材に徹底している場合は、構造材は集成材ではなく製材された木、壁は土壁など、仕上げ材も無垢材と拘っている場合もあり、極力合板は使わない場合、下地に合板を使う場合、これらも又「自然素材の家」と表現しています。 
 

そう「自然素材の家」の具体的な定義は定まっていないため、このような差が出ます。
  

勿論、見え掛かりの自然素材の家の方がコストは抑えやすいと言えますが、どちらが良いかを判断するのは住まい手の皆様です。 

 
又、住まい手の皆様の御身体の状態によっては化学物質を受け付けにくい体質の方もいらっしゃいますので、状態に合わせた選択も必要になります。
 

「新建材の家」の対の言葉としての「自然素材の家」であるなら前記、どのタイプでも当てはまるとは思いますが、確実に申し上げられるのは「新建材の家」ほど価格を抑えにくいのは言うまでもありません。
 

しかし、海外から入る安い自然素材を上手に活用し、造るシステムを構築し、価格を抑えた住宅が登場しているのも事実です。 

私共では、構造材(骨組みとなる柱や梁のこと)を国産木材による製材品を活用し、床材にも杉や桧などの国産の木材などを利用することが多いです。合板は建物の強度確保の為、作業の効率化を計る意味で床や屋根に用いることが多いです。
写真は、そんな一例で構造材、床ともに杉を使用し、壁には珪藻土を塗っています。床下地や屋根下地など見えない部分には合板を使用しています。