カバードポーチのデメリット

ユーザー ❨株❩アトリエ Y&R 栗城裕一 の写真

 さて今回はカバードポーチのデメリットというお題です。カバードポーチ?はて、なんのこっちゃ?と思われる方も多いと思います。なんでもカタカナ…。いやですねぇ…。
 閑話休題。
 上にあげた写真は、クリント・イーストウッド監督・主演の「グラン・トリノ」の一シーンです。、いつもこの場所でビールを飲んでいるという頑固老人ウォルト(イーストウッド)とアジア系の少年タオの姉スー(アーニー・ハー)とウォルトの愛犬が写っています。この屋根がある半戸外のような場所がカバードポーチです。アメリカの初期住宅スタイルに多いですよね。アメリカ映画にはよく出てきます。バックトゥザフューチャーにも、マイケル・J・フォックス演じるマーティ・マクフライのガールフレンド(ジェニファー)の家にもあったと思います。西部劇には頻繁に出てきますよね。日本の玄関ポーチを大きくしたような感じで、外部用の椅子とテーブルが置いてあるものがほとんどです。
 で、本題のこのような場所をこしらえる時のデメリットですが、まず、日本のような敷地の狭い場所で造るとなると、本当の外部空間である庭が取れなくなる場合が多いでしょうから、敷地にある程度余裕がないとだめだと思います。また、コストも結構かかるので、通常の居住空間から割り出した坪単価が上がってしまうということがあります。また、この部分は床を木製にしたいところでしょうから、建築後のメンテナンスも費用が掛かるということになります。(なにせ屋根があるとはいえ、壁はありませんから風雨に晒されて傷みやすいところなわけです)もちろん、この部分は建築面積に算入されますので、建蔽率いっぱいに建築される場合には、居住空間を圧迫するということにもなります。
 しかし、このような故黒川紀章氏の言う中間領域は、日本でも縁側などという空間があって、とても魅力的な生活を支えてくれます。敷地にゆとりがあって、ご予算もある程度かけられるということでしたら、様々な暮らし方が想像でき楽しい生活が創造できることでしょう。