住宅のセカンドオピニオン

ユーザー ❨株❩アトリエ Y&R 栗城裕一 の写真

 セカンドオピニオンという言葉はいろいろなところでよく耳にするようになっています。医療現場においても、病院や診療所でそのような業務・対応をしてくれるところが増えてきました。専門的な知見を要する仕事を、素人が専門家に依頼する場合、依頼者は知識がありませんから、依頼した専門家との固い絆・信頼関係がないと不安になったり、疑心暗鬼にもなりがちです。そのような場合に、第三者としての専門家に意見を求めることができれば、不安が少しでも解消できるというものです。
 住宅建築においても、日本のようにほとんどの人が住宅メーカーで家をつくる社会では、設計・施工・監理がそのメーカーで行いますから、建築主としては大手のメーカーだから大丈夫といった曖昧な、漠然とした期待でしか安心を得られません。そこで住宅のセカンドオピニオンが必要になってくるわけです。この業務を行っているのは、ほとんどが設計事務所でして、この業務を標榜していない事務所でも大体は相談に乗ってくれると思います。設計の問題、費用の問題、施工中の問題等々、様々な段階で対応をしてくれるでしょう。
 中には、設計事務所で設計してもらっているけれど、どうも不安だという場合もあるでしょう。専門家が陥る陥穽というものはどのような業種でもあります。丁寧な説明がなされていない、情報をきちんと伝えていないなどといったことは、建築主の方からすれば不安になる大きな問題です。これらを、セカンドオピニオンという形で相談に乗ってもらえれば、大事な一生に一度の買い物に禍根を残すことが減るでしょう。