見過ごしてない!? 外壁下地。

ユーザー アトリエエンドウ一級建築士事務所 遠藤義則 の写真

現在の木造住宅で一般的な工法は在来工法と呼ばれる工法です。在来工法では地震などの力に対する強度は耐震壁で持たせるという考え方でできています。ですので、木造の簡易的な構造計算方法である壁量計算は、床面積に対する耐震壁の割合が規定以上確保できているかどうかをチェックするという計算になります。
耐震壁の作り方は、いくつかありますが、最も簡単に作れて、強度を確保できるのが、柱間の両面に板状材料を貼ることです。室内側には石膏ボードを張り、室外側には、構造用合板と呼ばれる、耐水性があり構造的強度もある合板を張るのが一般的です。私が設計を始めた頃は、この工法が一般的でしたが、最近は少し事情が違うようです。
最近は外壁下地と外壁材との間に通気層を取るというのが一般的になってきています。通気層は何のために取るかというと、壁の内部の湿気を外に放出するために取るわけです。ここで問題が発生します。構造用合板が壁内部と通気層の間に立ちはだかって湿気を通してくれません。構造用合板はほとんど湿気を通さないと考えた方が良いでしょう。通気工法では、外壁下地に構造的強度と透湿性の両方が求められているということです。この両方を兼ね備えた建材はいくつかありまが、ここの現場では、大建工業のダイライトという製品を使用しました。
ある建材が湿気を通すか通さないかを判断するときには、透湿抵抗値という値で比較します。透湿抵抗値の小さいものほど、湿気を通してくれます。設計図があがってきたら、外壁下地について透湿抵抗値を調べてみると良いと思います。