コラボパワー

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 コラボパワーというのは、木造建築用制震オイルダンパーでして、ハウジング・ソリューションズという会社から販売されています。この手のものはいろいろなものがあります。価格は1本あたり1万円くらいでしょうか。主に柱と梁、あるいは柱と土台といったように直交している部材間に取り付けて、地震の揺れを少なくしようというものです。
 ここで、制震という言葉をご説明しなければなりませんね。地震に対しての言葉としては、免振、耐震、そして制震といろいろあって、その違いは何だろうと思いますよね。
 まず耐震ですが、これは地震の力に対して建物を頑丈に作って壊れないようにする方法と理解してください。ですから、この場合は揺れることに対しては全く考慮されてはいません。大地にしっかりとくっついて作られていますので地震があれば揺れるわけです。しかし、一定の震度までは壊れないということですから、部屋にあるものなどが落ちたりはしても建物自体はとりあえず残るということです。
 次に免振ですが、建物が大地に据え付けられているので当然地震があれば建物も揺れる、しかしこの揺れをなくせないかという発想です。一番確実なのは、大地から浮いていれば揺れないのですが、これはなかなか難しい設計になります。今のところこの設計で建てられているものはないのではないでしょうか。そこで、大地の揺れを建物に伝えにくくするという考えで設計することになります。大地と建物との間に揺れを伝えにくくする緩衝材を挟み込んで、建物自体を揺れないようにするというわけです。これは、たとえばゴムのようなものを挟み込んだり、ボールベアリングのようなものを挟み込んだりといろいろな方法があります。建物によってはここを見学できるようにしているものもあります。ちなみに世界遺産になったコルビジェ設計の国立西洋美術館も地下で見ることができます。このように地震の揺れを免ずるということから考えられました。この方法の場合は設備配管についても建築と同じように免震の設計で作らないといけません。
 最後に制震ですが、これは建物が大地にしっかりとくっついているという点では耐震の建物と同じなのですが、揺れをある程度抑えられるられるように、揺れを制御しようということで考えられたものです。建物の中のいろいろなところに揺れを吸収する部品をとりつけて、揺れ具合を少なくしようというものです。免震に比べれば比較的安価にできるというメリットがあります。先のコラボパワーのようにオイルダンパーのようなものが多いようですが、部品の摩擦を利用したものもあるようです。