広く感じさせる方法

ユーザー ARKSTUDIO一級建築士事務所 茶之木宏次+羽木みどり の写真

・広く感じさせる方法

居間は12帖くらい欲しいとか寝室は8帖以上欲しいなど、
部屋の広さはその部屋の床面積で伝えるということが一般的です。

しかし、これは単に床面積の広さを現す数値だけなので、実際に感じる広さは
同じ帖数でも、違ってきます。
つまり、部屋の広さは、人間の脳が色々な情報処理をして感じる感覚なのです。
なので、どのように脳に感じさせるか、また、錯覚させるか、と言う視点から、空間を造っていくことも大事になってきます。

窓の高さや幅と部屋の空間の関係性、人の視線と空間の抜けや開口との関係性、天井の高さと部屋の広さの関係性、空間の色彩、材質、形やラインの方向性など、色々な要素によって、人が感じる広さが変わってきます。

実際、利休の造った2畳敷の茶室 『待庵』の中に入ると、二畳とは思えない広さを感じます。
また、写真は8帖程の安立の家の居間兼食堂ですが、ここに入ると、8帖とは全く思えない広い空間を感じます。

あまり面積の取れない住宅でも、広く感じさせる色々なテクニックを使って、本当に広々と住まうことが可能なのです。