◆使用勝手の良いパントリーとは?

ユーザー 有限会社滝下秀之建築アトリエ 滝下秀之 の写真

近年、パントリー,ウォークインクローゼット,シューズクローク等、(1)限定された物を収納するスペース、又は(2)適材適所の収納スペースを、お施主様が要望されるケースが増えています。
その中で、今回は「パントリー」について、弊社の考え方を作品事例と共に述べてゆきます。

《まずは、「パントリー」とは・・・?》
一般的には「食品庫」と言われていますが、私は「食料品・調理器具・食器類等を収納する、キッチンに隣接したスペース」と考えています。

「パントリー」を設置する場合その分床面積が増加するわけで、コストをおさえる場合できるだけコンパクトでありながら最大限の収納力を持つよう、必要に応じた最小限の棚の奥行き、最小限の通路の幅にするようにしています。

棚の奥行きは、食料品を収納する場合は12~22cm程度、食器や調理器具を収納する場合は18~25cm程度にしています。パントリーの壁の両面を棚にする場合が多いので、片方は奥行きを少なくする等、打合せを入念にして寸法を決定してゆきます。

また、棚の仕様は工事予算にもよりますが、大半は12mmの合板にペンキ仕上げ、中には家具仕様のポリ合板フラッシュにする場合もあります。いすれにしても、高さが変更できるよう可動棚にしています

【1】キッチンとパントリーが1階にあり、勝手口を兼ねるパントリー

キッチンの奥に、いかにもと言える勝手口のドアが付いている家をよく見かけますが、スタイリッシュではありません。
弊社では、キッチン側から勝手口ドアが見えない工夫をしています。その一つとして、勝手口を兼ねるパントリーをつくる場合がよくあります。奥様が買い物から帰り、勝手口からすぐにパントリーに収納できるのはとても便利です。

① キッチンからパントリーの扉を見る。

② 勝手口を兼ねるパントリー。正面が勝手口、左側がキッチン。

【2】キッチンとパントリーが2階にある実例

2階のパントリー内部。
正面扉を開けるとサービスバルコニー(生ごみ等置場)、手前はキッチン。

【3】キッチンの背面にあるパントリー

弊社は、キッチンの隣に【1】,【2】のようなパントリーを設置することと同時に、キッチンの背面にパントリーを設置するケースが多々あります。
下部収納の天板は作業台で、キッチンの高さと同じ85cm。
作業台下部の棚には、電子レンジなど家電と大きめの鍋や皿を置きます。
上部棚は食器と食品の棚になります。炊飯器、電気ポット、コーヒーメーカー等は作業台の上に置きます。このパントリーは使用勝手良く、収納力があるので、お施主様からは好評を得ています。      

①キッチンの背面にあるパントリー。半透明の扉を閉じた状態。

②扉を開けた状態。小窓が設置してあるので、明るさと風通しを確保することができる。

【4】オープンキッチンの背面にあるパントリー

①ダイニングとキッチンが一体となったオープンキッチン。
      その奥が、大きな4枚扉のキッチン背面パントリー。

②4枚の扉の中央を2枚開いた状態の、キッチン背面パントリー。
 使用勝手は【3】と同様。