崖地条例の緩和規定

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崖地条例とは、崖崩れによる建築物の被害を防ぐことを目的に定められています。
条例の詳しい内容は各自治体にて規定がありますが、
ここでは「静岡県建築基準条例第10条(がけ条例)」を例にとってご紹介致します。
 

 

【崖地条例が制限していること】
 

静岡県における崖地条例の対象となる崖は、
「水平面からの勾配が30度を超え、
かつ高さが2メートルを超えるもの」。
 

該当の崖がある土地では、
「崖の法面下端(ふもと)からの距離が
崖の高さの2倍以内の距離に建築物を建てる場合には、
安全な擁壁を設けなければならない」
という規制が適用されます。
(上記図参照:静岡県都市住宅部建築課より)
 

ここで言う「安全な擁壁」とは、
土でできた崖側面の崩壊防止のため、
コンクリートなどにより支える壁状の構造物のこと。
建築基準法に適合する擁壁が無い崖地の対象範囲には、
所有する土地であっても建物を建てられない、
ということになるのです。
 
 

【崖地条例の緩和規定】
 

規制対象地に建物を建てるには、
崖に以下のいずれかの対策が施されている必要があります。
 

■「安全な擁壁」を設ける、または既設されている
建築基準法へ適合する「安全な擁壁」には
高さや範囲、材料、工法に様々な条件が付されています。
また、確認申請や宅地造成許可申請が必要となります。
 

以下、崖地条例の緩和条件です。
 

■堅固な地盤を斜面とするがけ又は特殊な構造方法若しくは工法によって保護されたがけで、
安全上支障がないと認められる場合
 

■がけ下に建築物を建築する場合において、
その主要構造物を鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造とした建築物で、
がけ崩れ等に対して安全であると認められる場合

 

これらの条件にあてはまるかどうかは、
地盤調査や構造計算によって確認することができます。
また、調査結果によっては適切な対策を施すことで
規制を緩和できる場合があります。

  
 

崖地は、眺望の良さや自然環境など、特有のメリットを享受できる土地でもあります。
建築士などの専門家に相談の上、納得のいくプランニングができるといいですね。

プラン「伊豆の家」
崖地に計画した全室オーシャンビューの住宅。