セキュリティデザインを楽しむ-10 ■油断大敵
投稿日時:
2019-11-05 16:00
■油断大敵
設計段階で建主として理解しなければならないことは、技術や建物の工夫には限界があることです。実は窃盗犯罪の30%は無施錠の窓から侵入しているのであり、住み手のちょっとした油断を犯人は見逃しません。また、設備技術の向上に比例して人間の油断も高まります。例えばマンションではオートロックがある場合ほど、また高い階ほど、窓に鍵をかけない人が多く、それを専門に狙う窃盗犯もいます。また、防犯はその代償として不便をもたらします。鍵穴の高さを変えることは、鍵を入れにくさにつながることもあります。さらに防犯はあくまで危険率を下げる予防策であり、あらゆる種類の窃盗に対する100%の安全保障は不可能なことも、理解しておく必要があります。このようにセキュリティ対策は、技術だけではなく、住み方も含めた総合的、継続的な闘いとなるのです。(つづく)