鉄骨造の耐用年数

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 鉄骨造の耐用年数というお題をいただきましたので、少しご説明したいと思います。耐用年数という言葉は、なかなか厄介な言葉です。財務省で決めている建物の減価償却の年数がそれにあたるわけで、実際に使えなくなるまでの年数ではないということを理解しないとなりません。この財務省令によると、建物の構造の種類によって、また用途によって細かく年数が定められています。住宅に限って見てみると、木造が22年、*軽量鉄骨造(これもその肉厚によりいろいろですが)が27年、鉄骨造が34年、鉄筋コンクリート造が47年という具合です。
 早稲田大学の小松先生の研究室が建物の平均寿命という研究をされています。これによると、2005年の推計で51.85年となっています。この年数でも結構短いですが、建物は使い方で随分と長生きできるものと思います。法隆寺はほぼ1300年たっているといわれていますし、欧米では、建物はほぼ半永久的なものというとらえ方があるようです。平均的な寿命が日本では30年、アメリカで55年、英国で77年だそうです。(日本1998~2003、アメリカ2001~2005、英国1996~2001の新築後経過年数の平均、平成18年住生活基本法の参考資料から)日本は住宅の命が短いですねぇ。私達もせいぜい大事に使って長生きさせてあげたいものです。
 *軽量鉄骨造については別のコラムで詳しくご説明していますのでそちらもご参考にしてください。