自然素材の家のメンテナンス

ユーザー ❨株❩アトリエ Y&R 栗城裕一 の写真

 自然素材の家ということで皆様がイメージされるのは、おそらく木をふんだんに使ってある住宅というものだと思います。自然素材の代表格はやはり何といっても無垢の木材でしょう、そして漆喰や珪藻土のような左官材料、和紙などの壁装材といったところでしょう。また、柿渋や植物性オイルなどの塗料なども自然素材に入れられますね。
 このような自然素材は、その経年変化を自分の人生と同じように味わうといったところに魅力があるので、いつも真新しいということにはあまり意味がありません。しかし、生活していると気になる汚れが付いたりすることもあります。私どもでは木はほとんどオイルフィニッシュという方法で塗装していますので、手入れはとても簡単です。通常は乾拭きでよいですが、水を付けた雑巾などで拭く場合は固く絞ってから使います。無垢材の木は水を嫌いますので注意してください。拭いただけで取れないような汚れは、オイルをつけた耐水サンドペーパー(320番くらい)で磨くと取れますので、そのあと布にオイルをつけてふきあげると元のようになります。ワックスがけの場合は、リボス社のグラノスが汚れ落としと同時にワックスがけもできるというものですので便利です。
 漆喰や珪藻土などの場合は、消しゴムや台所で使うスポンジ(少し水をつける)で擦るという方法で汚れが落ちます。それでもダメな場合は、サンドペーパー(240番から300番くらい)で擦ると取れます。そしてストッキングのようなものに同じ左官材料を詰めて擦っておけばほとんど目立たなくなります。マジックインキやケチャップやソースなどの色のついた汚れもこの方法でほとんど大丈夫だと思います。
 和紙については、経年変化ではだんだん白くなりますので、黄色くなったものはたばこのヤニのようなものだと思います。これらが気になる場合は貼り替えという方法になります。
 いずれにしても、自然素材は先に述べましたように、歳月とともに独特の味わいが出てくるものですので、その変化を楽しむという気持ちを持っていただきたいと願っております。