安息角と杭
投稿日時:
2020-01-14 11:06
以前、「安息角と基礎」ということで書かせていただきましたので、それを再録して追加で杭についても書かせていただきます。(「安息角と基礎」の時の図もご覧になっていただければと思います)
安息とは安らかに静かにしていることですが、文字通りこのような状態を保てる角度のことを安息角と言います。
崖などの近くに建物を建てる場合、基礎が崖に影響を与えないように設計することが肝要となります。杭などを用いて基礎を支持させるようにすれば崖に接近して建築することが可能ですが、杭の施工費を節約しようと思えば、崖から離れて建築するという方法がとられます。その場合にどれだけ離すかという時の拠り所となるのが安息角というわけです。
図のように低いところから30度の角度で斜面を想定します。その斜面より低い位置に基礎の下端があると安全なわけです。これは土の種類にもよるのですが、自然な状態で土がこの角度で安定してそれより広がって崩れない角度とされているからです。
そして、杭利用の場合、図のように基礎を深くしないで杭により安息角以下に支持層を設定するという方法があります。基礎を深くするか、杭を設けるかは状況によりますね。費用のこともありますし、全体的、総合的に判断していくことになると思います。