中庭と屋根

ユーザー 南俊治建築研究所 南俊治 の写真

日本の風土には欠かせない光と雨の処理の問題。
そこには、中庭と屋根の伝統の作り方と知恵をとってみることができます。
中庭は敷地の奥が深い場合に平面の中ほどに配置したり、建物の縦の空間で周囲が採光が確保できない場合にとられる手法で自然と光を取込む魔術といえるでしょう。
一方、雨の多い我が国においてはその対策として、深い軒や屋根を用いて空間を構成します。また夏場の陰影をつくるためにも、有効に働きます。
そういう意味で、現代のモダンデザインは一見綺麗でかっこうよく見えるかもしれませんが、進化の過程においては日本の伝統の延長上に本来つくられるものでなくてはなりません。

一級建築士 南 俊治