ボリュームチェックのやり方

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「ボリュームチェックのやり方」というお題です。さて、ボリュームチェックとは?という方に少しこの言葉をご説明しましょう。マンションなどの収益案件などでは、この敷地に一体どのくらいの延べ床面積の建物が建つのだろうかということがとても気になるところになります。そこで、緻密なプランを作成する前に大雑把な総面積が出せるためのチェック図が必要になります。これは、当然法的な検討を踏まえたうえでなされますので、その後の基本設計にも役立てることができます。
 そこで、この「ボリュームチェックのやり方」ですが、これは楽屋話のようなもので、各設計事務所で微妙に違うかもしれませんが、基本的には同じことをしていると思いますので、私どもでのやり方を書かせていただきましょう。
 まず、敷地の情報をもとに法的なチェックをします。用途地域、建蔽率、容積率、その他の道路の情報も含めた収集できる情報をすべて収集します。(給排水、ガスなどは除外する場合もあります)そして、敷地に建てられる建蔽率いっぱいの建物を敷地に入れてみます。次に高さ方向のチェックをします。道路斜線などの規制を盛り込んだりして検討します。この斜線制限(北側の斜線制限も含めて)チェックで容積がいっぱいになれば、最初のボリュームチェックは終了します。ボリュームチェックには内部のプランは描きませんので、避難計画を想定しておくだけで終わりとします。しかし、この検討だけでは容積率いっぱいにならないときには、日影図、天空率なども検討して、高さ方向を伸ばしたり、平面を少し小さくしたりという試行錯誤をして最終チェック図とするわけです。ですから、思いのほか手間のかかる作業ではあります。