家を建てる・家をリフォ―ムするときに「建設の現場」として大切な「施工管理」という観点。

ユーザー やまぐち建築設計室 山口 哲央 の写真

新築でもリノベーションでも建築すること

建設時間のなかで暮らしや住まいを考えるときに

実際に「ものをつくる現場」での作業は大切で

工業製品なども普段使っている身近なモノでも

それ自体をつくりあげる環境では

品質の管理・・・食品等での衛生管理等

リアルなそれの場所での事が

生産の品質を左右していますよね・・・・・。

今日は実際に2案件、相談事として「教えてほしいです」と

お問い合わせがあり「相談案件」として「メールと電話」で

それぞれ「無料相談」させていただいた内容に通じる部分を

blogでも書きたいなと・・・・・。

ご相談者さんにはそれぞれ

ご了承をいただいたので。

では話しの内容を元に戻して・・・・・。

品質管理や衛生管理のように、

建築の現場にも「それ」があります。

建築家や設計者・設計事務所が行う設計監理と

工務店建設会社・建築会社の行う「現場管理」「施工管理」。

今回は「現場管理・施工管理」についての内容・・・・・。

新築の場合でもリフォームもまったく同じで、

どんな小さな事でも事柄によっては、

やり直しが難しい、

又は大変大掛かりに修復を必要とする事態になります。

本当に「現場での施工管理」が重要なのです。

今・・・現に「コロナウイルス」による

現場や商品メーカーサイドでのやりとりでも

設計者・設計事務所への状況説明や判断材料提案等

そういった部分も実際の商品納品ルートの関連からも

情報管理と情報提供も含めて「情報の共有と管理」は普段からの

対応力の部分でも差があり・・・・・。

建築工事・建設工事、新築やリフォームの本質である

施工管理に関して詳しくお知りになりたい方は、

是非この先を今回は長文ですがお読み下さい。

今回はいつもより随分と長文になりますが、

きっと現場に対する、

新築やリフォームの現地での「作業」に対して

みる目が変わります。

僕も内容によって

現場サイドの「管理側の人間」を

使い分けています・・・・・。

精度の高いハイクラスの現場管理能力を有する

建築会社の諸経費や雑費等は

確かに他より少し金額が高いかも知れないと思っていたけれど、

山口先生がお話をされていたように、

あれだけの日々の作業内容と結果であれば

逆に安いと思えました・・・・・。

というお話しを、

最近お引き渡したお客様から頂きました。

この「住まい手さん」は人生の中で

家を何度か建てており、

また福祉施設や自身の医院を持っている方ですが

施設などは「大手ゼネコン」で建てています。

口癖は、

建築家の先生の対応力、

設計力もデザイン力も大事

現場を管理する建設会社も大事、

その現場監督も大事

ほんで・・・前線で作業する職人さんも皆大事やから。

それとは別に以前に建てたお住まいや

古い施設の補修など、他社さんのリフォームや

新築を経験されていて、

世の中の「その」内容とリフォーム、新築等の

レベル感をご存じの方でしたから

僕がその現場に「あてがった」内容に対して、

ご理解頂けて大変うれしいと思いました。

僕自身も数十年前に自宅を新築して

業界側の人間がクライアントの立場になり

立場が変わる事で見える事の意味も

経験している事の意味も

早い段階で実感する事が出来ました・・・・・。

まだ建築家として独立する前で

勤務建築士(企業建築家)の時でしたが。

自宅を建てて、施主(クライアント)、

家を建てる・リフォームする住まい手の立場

を実際に経験する事で

たどり着いた結論は、

お客様にとって、満足があり、

価値ある新築やリフォームには

以下の3点が欠かせないという事です。

当たり前の事なのですが・・・・・。

施工管理によって工事品質を保つ

腕の良い職人さんを使う

少し先の将来を見据えて現場を考える

その中でも今回は「施工管理」の重要性を

このブログを読んでいる皆様に

知って頂きたいと思います。

以下で詳しく書きますが、

本当の意味での、「お得な〇〇〇」と言うのは

「価格が安い事では無い」という事が

きっとご理解頂けると思います。

施工管理が現場の「要」、その理由・・・・・。

施工管理という言葉は、

耳慣れない言葉かも知れませんが、

建設業界ではよく「工事看板」にも

記載されている内容で、

簡単に言うと現場が計画通りに

上手く出来上がる為に行う全ての業務を管理する仕事です。

建築や建設業界ではない方は

新築やリフォームがどのような手順で行われるのか、

ご存知無い方も多いかと思います。

多くの方は、図面があれば「材料が現場に搬入されて職人さんが来れば自然に出来上がる」

程度に考えているかも知れません。

実は新築でもリフォームでも色々な制約があるのですが

特にリノベーション・リフォームでは

以下のような多くの難しさが有り、

①開けてみなければ分からない

②仮住まいや中古住宅購入ではなく生活している場合、使用不可が難しい。

③生活空間内で工事する為、作業、生活の場が区切れない。

など・・・リフォーム・リノベーションの場合は

「新築以上に過酷で困難な問題や制約」の中で

工事が行われています。

その為、上記のような困難な状況を

クリアしてリフォーム等を行うには、

しっかりと準備を行い、

且つ、施工中も十分緊急対応が出来る

「施工管理体制が必要」になります。

これは新築の場合でもリノべーションの場合でも

同じですよ・・・・・。

業者によっては施工管理体制がずさんな為に

素人のようなミスを起こす事が多発しています。

きっとリフォームを甘く見ているからだと思います。

又、お客様の側も少し考えるか、

注意すれば分かる様な

「業者のうまい誘い話にまんまとのせられた」と言う、

そういう例もあります。

今回の「お問い合わせ」で相談された内容は

そういう内容でしたよ・・・・・。

世の中にうまい話はないし

金額が安ければ安いだけの物です。

状況をしっかりご認識頂き、

よく業者を見分ける事で、

被害者にならようにして下さい・・・・・。

適切な建築家・設計者の「設計監理」と

建設・建築会社の「施工管理」

これが重要・・・・・。

施工管理の具体的な業務とは・・・・・。

施工管理は契約後に行われる業務全般をいいますが、

設計で示されたプランを実際の形にして行く過程です。

着工前の主な業務

①実際に現場に対応した精度の高い寸法や位置の確認

②どのような工法や職人さんが最適かの検討

③上記を円滑に行う為の適切な予算や工程の調整

④工程に合わせた材料等や職人さんの手配

⑤着工に向けての各種申請業務

⑥着工に向けての養生や挨拶の準備

施工(工事)中の業務

①作業車の駐車場や材料搬入ルート、仮置き場の手配

②職人さんへの指示出し、音や埃など近隣への気配り

③解体後の現況確認を行い、準備した材料や工法で対応出来るか確認

④墨出し(機器や間仕切りの取付け位置を示す作業)

⑤配管ルートや配管交換に関しての検討確認

⑥業者間の取合い調整(位置や工程など業者間の問題を調整する、)

⑦大工工事など、仕上前作業の施工チェック

⑧仕上げ業者の作業指示と施工チェック

⑨器具付け作業の作業指示と施工チェック

⑩完了検査~手直し業務

⑪お引き私書類の準備と精算

作業中のルーティン業務

①現場に行き、作業の確認指示を行う。

②夕方までの出来高作業の確認と翌日以降の作業の打合わせを行う。

③現場での不明点の対応(内容に応じて、お客様やメーカーと打合)

④工程の微調整(作業の進捗に合わせた各工程の調整)

上記の様に施工管理者は、

日々非常に多くの事をこなしています。

最近はWEB会議なども使ったり・・・・・。

もし施工管理担当者対応出来ていない状態で

リフォームやリノベーションが行われたら

きっとこんな事になるのだと思います。

ある日突然、図面だけを持った職人さんが現れて、

奥さん車どこに止めたらいいのですか?」、

「キッチンの取付け位置はこの辺でいいですか?」

(奥様)トイレ、今日使えるようになるのですか?

「材料が足りないので、無理かもネ!・・・」

「大工さんがまだ終わってないので、今日、出来ないね奥さんいつ大工さん来るの?」

などという事が次から次に起きるのでしょうね。

施工管理者が、上記の様な事をすべて

情報と内容の「交通整理」しているので

現場での動きや工事が円滑に進みます。

勿論きちんと設計者や設計監理者にも

きちんとした内容が伝わってくるので

設計者として監理者としての判断も

出しやすくなります・・・・・。

リフォームの質を決める品質管理・・・・・。

施工管理には上記の様に

多くの業務が有るのですが、

最も重要なリフォームの出来具合を左右するのが

「品質管理」と呼ばれる業務です。

この業務は、計画した事がどれだけ

「正確で綺麗、且つ機能的」に出来上がるかを握っています。

図面に描いている精度や内容、

それに指定した内容に対して

現場の状態に適した、材料や工法の選択、

最適な職人さんの選択、

納品業者への適切な時間指定、

現場での職人さんとの確実な打ち合わせ、

施工後の確認など、

全てが確実に行われて

ようやく高い品質の現場でのリフォームや新築が出来ます。

上記を行うには

事前に十分に考えて、

準備をする時間を持ち

終わった工事を確実に確認する時間を持ち

設計監理者、各職人さんや「お客様」と

十分に内容を確認出来る打ち合わせの

スケジュール管理能力と時間を持つというように、

「管理と品質現場への意識の資質」が必要になります。

何でもかんでも受注をして、

準備不足で新築・リフォームを進めるような会社では

失敗する工事が多発するのは当然です。

勿論・・・当方で施工者を選定する時には

資質と現場との相性も含めて検討していますよ。

価格の差は施工管理の差・・・・。

残念ながら長期に続いたデフレは

商品の価格と同時に今までも質の良くなかった

工事品質をより下げています。

例えば、一度おこなえば長期間は

換えられないものまで価格競争の圧力に負けて、

「安い事がよい事」のような風潮になっています。

その為にきちんとした工事を行いたいと

丁寧に考えている業者には

受注の機会が激減して、

低価格を売りにしている業者が多くなってしまい、

益々新築もリフォームの品質が下がっています。

勿論そうでは無い部分を知っている

ご相談者さんは当方へ設計監理を依頼し

適切な施工者の選定からを理解して「施工管理」に対しての

意識も高いです・・・・・。

常識的に、「商品や工事が良質ならば、価格も高く、粗雑なものは安い」

というのが基本です。

勿論「企業努力」などにより価格を調整しているケースもあります。

そういうケースを除く、

安くするからお得ですよ・・・・・。

と言うのは「質が悪いから安くしますよ」とも

解釈出来るという事です。

そういう路線の業者さんは、

「品質も下げるし、価格も下げる」という

考え方で商売を行っています。

例えば・・・・・。

通常500万円を仮に450万円の価格で受注した場合には

材料費や工事費はどの業者も販売ルートが

ある程度決まっていれば「ほぼ同じ額」なので、

差は「社員の給料である施工管理費」になります。

会社員の人も自営の方も

分かりやすいですよね。

自分達の給料やボーナス、

働いている環境に置き換えると・・・・・。

一人の社員に多くの現場管理をさせる事で、

結果的に個別の現場管理費は小さく出来ます。

しかし、価格を下げると言うことは、

品質を下げることで

やり直しが出来ない事にもなる事があります。

設計監理の価値もそうですが

施工管理の価値を正しく知る事は大切ですよ・・・・・。

施工管理費を削減する事は

どういう事につながるのか?。

この分、すこし価格が高くなるかも知れません。

この価格の差は施工管理の差、

即ち・・・直接的にも間接的にも「品質の差」です。

しっかり施工管理した、

高い品質なので価格も少し高いです・・・と言う、

ごく当たり前の事で、

品質の高い事を求めている方には、

価値と満足のあるお得な結果になるはずです。

消費税等の駆け込みやお得情報の駆け込み等も

そうですが・・・・・。

そして新築でもリフォームでもリノベーションの場合でも

品質は見た目もありますが、

見えない部分が重要ですから。

同じ商品を設置する場合でも、

図面の中身の事を施工管理者がどこまで考え、

どこまで気をまわし、

職人さんに指示が出せるのか?

という事で、現場の本質的部分で差が出来ます。

それが、「施工管理の本領」とするところです。

とことん考え抜いたアイデアや

隅々まで行き届いた気遣は、

かたちを成す事により

使い勝手や安全性暮らしの質に大きく寄与します。

当然、見た目の出来の良さにも違いが出ます。

こうした事で、

現場全体としての価値が高まり、

お客さんにとっても、

そのプロセスも含み

最良の状態を手に入れたという

満足が生まれます。

このように、施工管理は、

考える、確認する、思いを入れる等、

目に見えない事ですが、

現場となる住まいや建築の質を左右しています。

面倒なことでも現場でのプロセスを

きちんと活用して

丁寧に考えると現場での昇華として

良いアイデアが出て来ることが多々あります。

又、ちょっとした準備工事を行っておく事で、

将来的な部分で大きな無駄の削減に繫がる事も良くあります。

施工管理が行き届いた現場は

作業が行われている段階で

少し割高く感じても、

実際に暮らし、生活が始まり

それら全体を使い始めると

満足があり、将来的にも得な結果をもたらすと考えています。

工事費を不足のないように

見積り経費にも

施工管理がしっかり行える様に計上する事。

見せかけやすくした見積書の存在も

あちらこちらで聞きますが

きちんと計上する事、

その結果、しっかりした施工と

施工管理が出来るのと考えていますよ。

そして職人さんを適材適所に入れるのも

施工管理の仕事です・・・・・。

ここからは職人さんの話ですよ。

施工管理者がしっかりした判断の下に、

適材適所に職人さんを

適時に入れる事で

現場の出来が大きく変わって来ます。

普通の難易度の仕事は

ある程度どの職人さんでも出来る事が多いですが、

難しい仕事では

職人さんの腕の差がはっきり出て来ます。

業者は、限られた職人さんを

仕事内容によって使い分けします。

ここで問題になるのは、

安い価格で受注をした場合には

予算が無いので「腕の良い職人さん」を

使う事が出来ないという事です。

昔から『押っつけ仕事』という言葉がありますが、

「何とか納まっていさえすれば良し」

と言うレベルになりかねないのです。

一度良い仕事を見れば

誰でもその違いは分かります。

僕も実際に完了検査で何度も経験していますが、

きちっとした施工管理者の下で

職人さん達もしっかりと適材適所、

水準のバランスが取れていると

現場の完成度も異なってきます。

最終的には引き渡しの際には

多くの方に腕の良い職人さんの

良い仕事を味わって頂きたいと思います。

施工管理・・・・・その重要性は

設計図をカタチにするだけではない部分が

重要という事です。

現場に於ける施工管理の重要性を

多くの方にご理解頂き、

設計監理も含めて

ダメな業者に依頼しない事を期待いたします。

今回はいつもより長文となりましたけど

最後までお読み頂き、

ありがとうございました・・・・・。

人の価値観が人生を左右する様に

毎日の暮らしの場所は

要因のデザインによって

質が異なりますからね・・・・・。

意識のデザインを丁寧に大切に。

どんな暮らしの場面を

皆さんは意識しますか?

大切だと思いますよ、

日々の暮らしにも

そういう視野と感性と認識が・・・・・。

Produce Your Dream>>>>>

建て主目線+αの提案・・・・・。

明日の暮らしを設計する

建築と住まいとその暮らしを豊かに

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