突き板が楽しい!
人を優しく包み込む木の仕上げ。
年輪や節が見える素朴な質感から、現代美術を彷彿とさせるモダンな表情まで。
バリエーション豊かな木の仕上げ材をご紹介します。
家を建てるとき、一般的にはメーカーのシステムキッチンを据付け、家具店で購入した家具を置くことが多いと思います。
ところが同じ黒でも色や質感はメーカーによって違いがあるので、購入先やオーダーする先が違うと、トータルな空間コーディネートが難しくなりがち。
そこで弊社では、室内で使う面材を統一して、室内の印象をまとめるようにしています。
具体的には、ダイニングテーブル、キッチン、テレビボード、建具など、ある場所に立った時に目に入る範囲の素材を統一します。
家具やキッチンの図面を描いて面材を決定し、家具屋さんや建具屋さんに、この面材を使って作ってください、とお伝えします。
キッチンのこの扉のここに、この素材のこの辺りが来るように・・・と細やかな指示を出し、作り手が変わっても仕上げの印象を変えないよう注意します。
室内の色や質感が一定の範囲に収まり、室内で感じるノイズ(小さな不協和音)を排除することができるので、結果として空間デザインの密度が高まります。
ぐっとおとなな印象の、ホテルのような住みご心地が実現できるのです。
「sunnyside」では、表情のある面材を使用しました。
濃い色が一般的なウォールナットですが、シロタと呼ばれる白い部分がスーッと入った、表情豊かなウォールナットです。
通常、家具の面材は同じ柄行きが連続して退屈になりがちですが、家具全体で一つの柄を構成する面材を使うことで、よくあるパターンの連続とは一線を画します。
この素材の場合、シロタの部分は床から230mmの位置で、木目は正面から角を通ってつながる直行方面も揃えて、など細かな打ち合わせを繰り返し、このデザインが完成しました。
家具の表面仕上げの木を突き板と言いますが、突き板のレイアウトを工夫すると、こんなことが可能になります。
家具は家の道具。
室内設計の一環として建築とともに造作すると、人に一番近い建築になります。
無垢の木は、乾燥による収縮など、不具合が起こりがち。
家具では多くの場合、無垢材をそのまま家具として加工・使用するのではなく、用途に応じた部材を作り、面材を貼り付けて使用します。
突き板の質や塗装、加工の仕上がり精度により、家具の印象は大きく変わります。
自然が作る木の造形ですが、時として個性が際立つ素材に出会うこともあります。
まるで墨絵のような表情の木は、どんな風に使おうか?。
質感を生かして、キッチンなど長さのある家具に?
燻蒸加工で全体を暗い色に染めて、柄が浮き立つような壁面仕上げ材に?
特別な部屋の入口に使う建具に?
室内の空間デザインに合わせる面材を使えば、世界に一つだけの特別な空間が、ご自宅で実現します。
ぜひ一度、設計事務所や家具屋さんに、問い合わせてみてください。
このコラムは、注文住宅を計画する方の参考になることを目的に、弊社の経験に基づいて書き下ろします。
トピックス、技術、経験の内容は、主観に基づくことをご了承ください。