南道路のプライバシー保護

ユーザー 株)アトリエ Y&R 栗城裕一 の写真

 道路側に対してのプライバシーの問題は、都市部のように小さい住宅の場合には常に付きまとう課題です。特に南側が道路の場合には、玄関も南側になることが多く、さらに日本人の気持ちとしては窓も大きくしたいなどと考えますから、いろいろと悩ましいところではあります。
 窓は外部に開かれた開口部ですから、外部からの視線や音、さらに内部からの音などがここを通して伝わるわけで、プライバシーということではこの外部からのプライバシー保護、内部から外部への保護ということを考えなくてはなりません。南側は大きく開かれるように設計すれば、それだけプライバシーという観点からは問題が出てきます。視線に限れば、ガラスを工夫して外部から見えにくくするということができます。熱線反射ガラスのようなものを用いれば内部が見えにくくなり、さらにブラインドのようなものあるいはケースメントやレースのようなカーテンを取り付ければ一層効果的になります。窓の外側にいくらか庭のようなものを作れるようでしたら、植え込みや生垣のようなもので囲ってあげると佇まいもよくなり、プライバシーの観点からも効果的になります。これは音の問題も幾分か解消できるので一石三鳥くらいの方法です。窓の大きさを腰窓にして窓の下に腰壁があるようにすればこれも少しはプライバシーの保護、安心感につながりますし、家具の配置も楽にできるようになりますので、南だから掃き出しの大きい窓にしなければという考えを今一度見直すことも必要だと思います。余談ですがアメリカ映画での住宅は道路側に塀はなくて、芝生が広がっていて、窓は腰窓になっているものがほとんどです。