南道路のプライバシー保護

ユーザー 青井俊季建築設計事務所 青井 俊季 の写真

南側に道路がある敷地の場合のプライバシー保護には、大きく分類して2つの方法を用いています。 

1つ目は写真のように道路境界に沿って、建物と一体につくった目隠しの壁を設ける方法です。
リビングルーム前の約4.5m四方の庭を囲み、道路側からの視線をカットして、大きなテラス戸を設けています。室内から続くデッキスペースと庭までを含めて、プライバシーが守られるため、カーテンやブラインドを付けることもなく、家族だけの空間として過ごすことが出来ます。

次も同じ目隠し壁を設けた事例ですが、大都市の幹線道路と街路の交差点の角地という、住宅用地としては非常に厳しい条件の場所に建つ、鉄骨3階建ての住宅です。 

南側は幹線道路からの騒音が激しいために、最小限の採光と通風目的の窓だけにして、遮音壁の仕様としてプライバシーを守り、防音性能を確保しています。リビングルームは2階にして、東側に大きな開口部を設け、デッキスペースの先の道路際に、目隠しと通風を兼ねたパネルを設置しています。
このパネルは、高速道路の防雪板として開発された有孔金属折板を利用しました。

2つ目の方法は、比較的面積の大きな敷地の場合によく用いる、建物の平面をコの字型にして、中庭を囲む方法です。 

南の道路側は開放的なバスルームになっていて、中庭に向かって低く抑える片流れの屋根とすることで、陽当たりの良い明るい中庭をつくることができます。
全ての部屋から見える中庭は、完全なプライベート空間として、「屋根のないリビング」としても活用できる家になっています。