自家用車の有無で土地の探し方が異なります
土地探しから住まいづくりを検討されている場合、とても重要なことがあります。
それは、自家用車を所有されているか否かという点です。
移動の足がほとんど車であるような都市では、自家用車を持っていないというケースはほぼ皆無で、自家用車は2台3台が当たり前、一家に一台ではなく一人に一台というお宅も多いでしょう。
自家用車を所有している場合、探す土地の間口(道路に接している距離)、方位、前面道路の幅員、道路と土地の高低差などに注意する必要があります。
建築基準法上では1台分の駐車スペースは最低2.5メートル×5メートルで、2台分ならば倍の5メートル×10メートルといった広さを確保しなければなりません。
車の止め方も道路に対して直角に入庫するのか、それとも道路に並行して縦列駐車するのかによって敷地の間口が最低でもどのくらい必要かを検討しなくてはいけませんし、前面道路の幅員、電柱の位置など車の出し入れに支障が無いかチェックすることも忘れないようにしないといけません。
おそらく動線計画上、駐車スペースと玄関アプローチ、ポーチは近くにあったほうが良いので、これらのスペース配置も考慮して土地を探すことになるでしょう。
敷地の方位も重要で、駐車スペースと玄関アプローチ、ポーチはおのずと道路側に配置することになるため、南側道路の土地を探す場合には特に注意が必要です。
駐車スペースも建物内に収めるようなビルトインタイプか、独立したガレージなのか、屋根付きのカーポートなのかもあらかじめ決めてから土地を探したほうが賢明でしょう。
一方、ここ最近東京都内では、自家用車を持たない方が増えてきているように思われます。
実際、数年前に設計監理をした住宅の建て主さんも車を所有していらっしゃいませんでしたし、現在一緒に土地を探しているお客様も車を持っていらっしゃいません。
ライフスタイルが変化していることは、私自身肌で感じています。
東京都内では土地が高く、土地と建物を同時に購入するとなると相当の金額になります。
仮に車1台所有するには、2.5m×5m=12.5㎡、約4坪も最低必要になり、この広さだけでも相当な土地の金額になってしまいます。
車に乗る頻度が少ない方は、レンタカーやシェアカーを利用するケースが多いようです。
車を所有してない場合、土地の広さ、形状、間口、方位、前面道路の幅員などを考慮すると、探す土地について選択肢がだいぶ多くなります。
それだけ、駐車スペースの占める割合は大きく、自家用車の有無で土地の探し方が変わってきます。
自家用車が無い方にとっては、狭小地、変形地、旗竿地、短冊状の土地といった周辺相場よりも安い価格の土地を購入することが可能で、住まい本体の建物により多くの予算を配分することが出来ます。