細長い家と中庭 

ユーザー ARKSTUDIO一級建築士事務所 茶之木宏次+羽木みどり の写真

4軒長屋の一軒分の建て替え依頼。
隣はすでに3階建の住居に建て替わっており、前面道路も4mです。
ウナギの寝床のような細長い敷地の周囲は燐家の壁が近接しており、
壁面に付く窓からは十分な採光が得られません。
なので、昼間から照明に頼らずに、自然光を取り入れて、快適に過ごすためには、光の取り入れ方を工夫する必要があり、細長い敷地の真ん中に中庭を作って、天空光を取り入れ、そこに面する部屋に光を入ることにしました。
また、その中庭は浴室や洗面所と居間や個室との動線になっているので、雨風をふさぐ必要がありました。
中庭の上の3階の屋根をガラス屋根にし、中庭の上に掛かる2階と3階の通路もスノコの床にして、光が透けて1階にまで下りるようにました。

この中庭は空間に明るさと広がりを感じさせるだけではありません。
明るい陽光に包まれ、片隅に植えた植物の緑を愛で、ガラス越しに流れる雲、星を眺めながらの生活は、日々の暮らしに精神的なゆとりと活力を与えるようになりました。