クローゼットの中に家具を造りつける!

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

ウォークインクローゼットっていうと。

どちらかというと、収納の延長戦にある印象で、

見た目というよりは、容量を重視する方が多いかもしれません。

ただ。

最近は、そうでもなくなってきたように感じます。

一枚目の画像のような感じで、きちんと整理整頓されて、

スッキリとした「見せる」クローゼットを求める方が増えています。

実は、こういったショップのような収納システムは、

昔からいろいろとあったんです。

でも。。。

こういった家具をつくりこむと、コストが相当高くなってしまうため、

候補に挙がっていても、最終的に、取りやめになることが多かったです。

でも。

このところ、よく話題に出てくるのは。。。

IKEAのPAXというワードローブシリーズでしょうか。

こちらはたまたま、コーナータイプですが、

もちろん、横並びのタイプもセレクトできますね。

ある一定の規格にはなっているのですが、

ハンガーパイプを取り付けたり、引き出しにしたり、

固定棚にしたり、割と自由度が高かったりします。

それなのに。

家具として、価格は、とんでもなく安かったりするんですよね。

組みあわせ方にもよりますが、下手すると、数万円からスタートですから。

実は、一枚目は、とある建材メーカーの家具なんですけど、

同じくらいの作りこみをすると、倍以上はしてしまいます。

このコスパもあって、ぜひ取り入れたいと思われるようです。

ただ。

PAXを導入するには、少し注意が必要です。

一つ目の注意点は、寸法の規格が海外仕様であること。

日本の木造の建物って、91cmを基準にしているので、

例えば、1m巾というと、あまり効率的に配置できないケースも。。

それと。奥行も、ある一定の規格があります。

例えば、よくあるウォークインクローゼットの幅が1.82mなんですが、

そこに、60cm奥行の家具を両側に入れると、通路が使えなくなります。

もし、IKEAのPAXを採用するのであれば、

その規格に合わせて、スペースを確保していくことが必要ですね。

それともう一点は。

精度です。

国内メーカーの製品は、日本人らしく、精度が結構高めです。

なので、あまり余裕がなくても、しっかりと設置できるのですが。。

IKEAは海外製ということもあって、その辺は若干アバウトです。

なので、ちょっとしたズレがあったりすると、入らなくなるかもしれません。

設置するスペースには、少し余裕を見ておきましょう。

そうそう。

ここまでは、クローゼットの中を、家具として造りこむという発想でしたが、

私個人的には、相当なこだわりがなければ、通常通りの、

枕棚+ハンガーパイプがいいと思っています。

家具とはいえ、しっかりとつくりこむことになりますので、

そこである程度、制約がでてしまいます。

三枚目のように、何もなくて、フリーですと、

コスパのよいチェストやプラスチックの引き出しケースを買ってきて、

置いておけば、量が増えてきたときに、簡単に増やしていけます。

家具ですと、そういった自由度がなくなってしまいますよね。

造り付けの家具って、スッキリして素敵なんですけど、

将来性を考えながら、採用を検討されるといいかなと思います。

IKEAの登場って、とても大きいです。

いいものは取り入れながら、自分らしい収納を構成してみてください。

愉しいですよ。