設計料について

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 設計料については、各設計事務所が独自に掲示されているケースが多いでしょうが、国交省で建築士の報酬基準のガイドラインを作っていますので、まずそれをご紹介しましょう。それによりますと、算出方法のひとつに略算法というのがあります。それは次のようなものです。
報酬=直接人件費×2.1+特別経費+技術料等経費+消費税相当額 となります。
この直接人件費を計算する場合の業務時間が別に提示されていて、それに基づいて計算するわけですが、この計算で算出しますと、150㎡ほどの住宅の場合、だいたい1000万は超えてしまいます。これはさすがに現実的ではありません。そこで、各々の設計事務所で独自に掲示されていることが多いわけです。
 昔からよく工事費の10%くらいはかかるのでしょ?などと言われています。この工事費の何%という言い方をされているところもあるでしょうが、これについてはまず工事費が最初にははっきりわからないので、施主としては不安になることがあると思います。そこで、坪いくらなどという表示をされている方もあります。たとえば、坪あたり10万とかです。そうすると30坪程度の住宅で300万と計算がしやすく、施主にすれば明快な感じになります。しかし、これは設計者の立場からすると問題もあります。というのは設計および監理というものにはその案件によっては(同じ住宅という建物でも)難易度が違ってきますので、一律に決めてしまうことが適切ではないということになります。
 余談ですが、往年の大建築家のマルセル・ブロイヤーという方が住宅の案件で、工事費と同じ金額の設計監理料をもらったということをきいたことがあります。これが事実だとすると、最高額になるかもしれませんね。
 閑話休題、工事費が決定してから後で計算してみると、だいたい工事費の6%から15%の範囲に収まるといったところが多いのではないでしょうか。お客様によっては、色々な事情を抱えていらっしゃる方もいらっしゃいますので、臨機応変に対応してくれるところが多いとは思います。
 いずれにしても、最初に絶対金額を決められるのがよろしいかと思います。