RCと木造の混構造

ユーザー ❨株❩アトリエ Y&R 栗城裕一 の写真

RCと木造の混構造というお題ですが、まず混構造について少しお話しします。ふつうは木造で造るとなると、基礎はコンクリートですがそれより上はすべて木で作られていますよね。また低層のビルなどではRCや鉄骨で造られます。混構造というのは文字通り、構造が混じっているものでして、大部分は垂直方向に2種類くらいの構造が使われているというものを言います。水平方向に異種構造で造られているものもありますが、外部からの負荷(風や地震など)に対して抵抗力が違ってつなぎ目に亀裂が生じますので、複雑な納まりが必要になりあまり多く作られてはいません。
写真の住宅は地下、1階、2階がRC、3階が木造という住宅です。木造部分はちょうど人工地盤の上に1層乗っかっているといった趣です。木造ですから、木を現しにして木造の良さを味わえる空間になっています。写真は3階のファミリールームです。建築費はRC造より木造のほうが安いということで一部木造という構造を採用することもあるようですが、私どもで昔作った住宅では混構造よりすべてRCのほうが安かったので設計変更してオールRC造にしたという例もありますので、コストよりはその空間づくりの自由さや木材の持つ温かみを生かすことでの住空間の柔らかさを求めて混構造にするということが多いように思います。もう一つの写真は地下のアトリエで地上からのハイサイドライトで明るくなり、地下の息苦しさから解放されています。