モルタルのようなムラのある仕上げ!

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

ムラのある表情。どう思いましたか?

ここ数年、こういったムラのある、モルタルのような質感を持つ

仕上げが、とっても人気あります。

意識して、インスタなんかも見ていただくと、結構よく見かけますよね。

モルタル「のような」とあえて書いたのですが。。

モルタルで仕上げたわけではありません。

モルタルっていうと。

よく、玄関や玄関ポーチの床の仕上げに採用しますが、

壁や建具なんかに塗ったりすることはあまりありません。

では。何なのか。

一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、よく使われるのは、

モールテックスという製品なんです。

モルタルと何が違うのかというと

モールテックスは、セメントに特殊な樹脂を混ぜることで、

セメントに質感を保ちつつ、曲げやたわみに強くしているんです。

モルタルというと、経年で、へアークラック(細かな亀裂)が、

必ず入ります。

特に、土間のように固いコンクリート下地ならよいのですが、

挙動のある壁や家具なんかの場合、割れて落ちてしまいます。。

ですので、そういった場合には、積極的には使いません。

ただ。モールテックスとは、樹脂を混ぜることで、

そういった割れを軽減させているので、壁なんかにも採用できます。

特に、ムラのある質感が好まれる時代の感性にマッチして、

すごく人気で、採用されるようになりました。

とてもいい素材なんですけど、一点注意があります。

割れにくいだけで、割れないわけではないこと。

下地が挙動すれば、その揺れ次第では、割れますから。

大きな面に塗れば塗るほど、可能性は高くなります。

それは、しっかりと了解して、採用してくださいね。

ちなみに。

モルタルというか、コンクリートの質感が好きというケース。

もちろん、コンクリートを打てば、ずばりそれなんですが、

木造の家にコンクリートの壁を打つのって、なかなかハードル高いはず。

二枚目をご覧ください。

どう思われましたか??

画像なので、質感まではわからないと思うのですが、

マットな質感で、なかなかいい風合いを持っています。

壁紙でも、こういったコンクリート風はあるのですが、

その場合は、あくまで見た目だけで、質感までは表現できません。

こちらは、セメントをプレスして仕上げた内装仕上げパネルなんです。

コンクリエイトという商品名になります。

薄くて、軽いのも特徴ですが、質感がなんともいい。

モールテックスのように、現場で塗るわけではないので

割れの懸念がないのは、大きなメリットです。

ただ。パネルになっているので、目地はどうしても入ります。

シームレスな目地のない仕上げにしたいのであれば、

やはりモールテックスになりそうです。

少しわかりにくいのですが。

木カウンターの下の壁をご覧ください。

こちら。

屋根下地なんかによく使われる、耐火野地板で、

セメントと木片をプレスして作った板になります。

先ほどのコンクリエイトは、仕上げ材として、精巧に作られていますが、

こちらの場合は、表面に使うような仕上がりにはなっていません。

ただ。

そのラフさに、魅力を感じる方もいらっしゃいます。

そうそう。

そもそも下地材ということもあって、二枚目に比べると、

割安で仕上げることはできますが、そのラフさを好むかどうかがポイント。

サンプルなんかを見てから、しっかりセレクトすることをオススメします。

モールテックスを使ったシームレスな仕上がりもキレイですが、

コンクリエイトや耐火野地板のような成形されたボードを使って、

目地のある表現を楽しむのもいいのではないかと思います。

ムラのある質感で、インテリアを仕上げたい。

そんな時には、いろいろ比較しながら、お気に入りを発見してくださいね。