無垢フローリングだから肌ざわりがいい?

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

机の上に置かれているのは、無垢のフローリングです。

色がよく似ているので、みんな同じに見えますが、

実は、2枚セットで、樹種が違ったりします。

ナラ。

クルミ。

タモ。

栗。

パッと聞いても、ピンと来ないですよね(笑)

あまり明るすぎず、暗すぎず。

ほどよい色合いの樹種は、これくらいあります。

見た目はよく似ているので、差がなさそうですが、

実物を触ったり、持ち上げたりすると、結構違うんですよ。

ツルっとしている感触。

ざらっとした感触。

重厚感のある質感。

柔らかく軽い質感。

何が違うのかって、一番は、密度でしょうか。

年輪がぎゅっと詰まった密度の高い樹種は、堅くて、つるっとした感じ。

密度の低い空気をたくさん含んだ樹種は、柔らかくて優しい感じ。

になります。

肌触りがいいから、無垢材にしたいんです。

そんなことをよく耳にしますが、樹種をしっかりセレクトしないと、

希望の肌触りを実現できません。

だって。

柔らかくて、温かみのある肌ざわりが好きな方が、

密度の高い樹種を触れば、なんだ冷たいなって感じます。

下手すると、下地に合板を使ったフローリングとの差が

わからなくなるかもしれませんよ。

最近の複合フローリングは、表面の仕上げが

見た目だけじゃなくて、凹凸もしっかりついていて、

よりリアルになってますから。

自分が、どんな質感、肌ざわりが好きなのか。

いろいろ体験しながら、最善を探してみて下さいね。

ちなみに。

無垢フローリングをセレクトする際のポイントを二つ。

一つ目は、傷への考え方ですね。

柔らかい樹種ほど、傷がよくつきます。

それを「傷」と思ってしまう方は、柔らかい樹種はオススメではありません。

堅めにしましょう。

柔らかい樹種がOKな方では、傷ではなく「味」と思える感性を

持ち合わせていることが大事なポイントでしょうか。

それと。

昨日、打合せしていて、話題になったことなんですけど。。

フローリングの幅ですね。

最近は、幅の広いタイプが人気あって、かっこいいと思う時代です。

昨日、お客様が持参されたフローリングも幅広でした。

幅広でも、もちろん工事はできますよ。

でも。。。

無垢材は、生きているので、湿度に反応して収縮します。

もし、フローリングの幅が広いとどうなると思いますか??

ビックリするほど、反ってしまう可能性が高くなります。

ビックリするくらい反ると、床がめくれあがってくるかも。

貼った当初だけを考えず、経年での変化についても

しっかりと考えながら、セレクトしていただきたいですね。

もし、お客様が、幅広のフローリングを採用したいということでしたら、

私は、挽板(2mmほどの厚み)を貼った複合フローリングを

オススメします。

無垢の質感は持っていて、しかも、反りが最小限ですから。

おそらくですけど、無垢なのか、複合なのか。

一般の方であれば、見分けがつかないと思います。

見た目だけじゃなくて、質感もですよ。

無垢のフローリングっていいよね。

なんて、安易な発想ではなくて、いろんなことをしっかり

頭に入れて、自分にとって最適最善なフロアの選択ができると

いいなと思います。

もしかしたら。

あなたにとって最善は、無垢材ではないかもしれませんから。

いろいろあるんですから。