上品でエレガントな雰囲気を創り出すためには?

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

やさしい色合いで統一されたインテリア。

やさしいというより、とても上品な雰囲気の方が正解かもしれません。

こちら。

とある家のエントランスホールの吹き抜けです。

ベージュ系の淡い色合いにするというだけで、

この空気感をつくりだすのは、難しいかもしれません。

では。

どんなことをして、この空気感ができているのか。

それをお伝えしようと思います。

まず一つ目は、モールディングですね。

壁と天井の取り合いのところに回っている白い装飾部材のことです。

最近では、シンプルなデザインが主流になってきてるため、

この場所に廻り縁という小さな部材を採用することは

少なくなってきています。

同じ素材であればなくてもよいかもしれませんが、

壁と天井で素材が違ったり、漆喰なんかを採用する場合には、

設置することをオススメします。

それはさておき。

じゃあ、廻り縁を取り付ければいいのかというと、そうでもありません。

よくある廻り縁のサイズって、3cmか4cmくらいの大きさで、

形状はシンプルなものが多いです。

でも。

一枚目の家では、その廻り縁の大きさが違います。

その高さは、おおよそ、10cmくらいあって、

その断面は、三角形に近くて、直線だけでなく、曲線も組み合わせた

装飾的なデザインなんですよね。

こちらの家では、まだ控え目にしていますが、

こだわりだしていくと、もっと大きな廻り縁にするケースも。

ただ、やりすぎてしまうと、そこだけが主張したり、

装飾過多になって、上品というより、派手さだけが目に付くようになります。

バランスを見ながら、ちょっとした装飾として、

廻り縁を採用していることが一つ目のポイントです。

もう一つは、シャンデリアですね。

こちらは、この吹抜けのスケール感にジャストな大きさで、

派手過ぎない、でも寂しくないくらいのデザインにしています。

来客もよく目が行く場所ですので、メリハリつけて、しっかりと

存在感を持たせています。

次は。こちら。

そうです。

階段や吹き抜けに使った手摺です。

最近では、黒いシンプルなアイアンの手すりをよく見かけますが、

こちらは木製で、曲線的なデザインで構成されていますね。

もちろん。

大工さん等が、一本ずつ加工したわけではなくて、

輸入建材を仕入れて、それを使っているんです。

あまりたくさんのバリエーションはないので、

もしかすると、洋館に興味ある方は、別の家で見たことあるかもしれません。

手摺の笠木や組子等、全ての部材で、曲面があるおかげで、

柔らかい雰囲気を演出するのに、役立っています。

木目を生かした塗装でもよいですし、白く塗りつぶしてもよいかも。

アメリカの映画なんか見てると、よく見かけると思いますよ。

それと、もう一点は、内部のドアのデザインですね。

フラットでシンプルなドアではなくて、枠のまわったデザイン。

こういったタイプは、框組のドアといいます。

ちなみに。

よくご覧いただくと、框という枠部分と

その内側の板との間にも、曲面を使った装飾が入ってますよね。

ただの直線で構成されているのではなくて、

細やかな装飾が入っていることで、エレガントな雰囲気を

創り出してくれているんです。

その他、窓周りも重要です。

そもそもですが、窓の開き勝手であったり、プロポーション、

それに、内側に設置するカーテン類も効果的なんですよ。

こういった、細かなところまで、しっかりとコンセプトを保ちながら、

統一して組みあわせいくことで、一枚目のような空気感を

実現しているんです。

複雑だなと感じた方がいるかもしれませんが、

知識や経験のあるパートナーに相談すれば、

しっかりアドバイスしてくれるはずです。

どんな空気感の家にしたいのか。

それが重要です。

だから。

まずは、それを探し出すところから、スタートしてみてはと思います。