建築家とハウスメーカー

ユーザー ARKSTUDIO一級建築士事務所 茶之木宏次+羽木みどり の写真

ハウスメーカーは設計施工が一体となっており、工法もシステム化されていますので、設計もある程度規格化されたものが多く、大方の場合は、営業マンが建築主の要望を聞いて、会社の設計担当に伝え、図面を作ります。そして、基本間取り図が出来れば、一緒に工事金額も提示されます。
一方、建築家はそれぞれの土地に合ったプランを一から作り、建築主と打ち合わせを重ねて、基本設計をまとめ、その後、施工可能な詳細図面を作ります。そして、その図面を、適切な施工者に渡して工事見積をし、建築家は施主の代理人として、見積書の細目をチェック・評価し、施主に報告します。
建築家と施工者はやりとりを重ね、施主の希望が最大限に実現するようにその内容を見直し、適切な価格で工事の契約が可能になります。
ハウスメーカーに比べると、建物が建つまで、かなり長い時間を要しますが、建築主の住まいへのこだわりや思いを、建築家と共に整理し、見直し、練り上げていく過程で必要な時間でもあります。
そして、お住まいになるご家族にとって、世界で一つしかない、心身共に快適な住まいを建築家と施工者と共に作り上げる行為を経て、最終的には、それらが結晶化したもの、つまり、家というものに住まうということになるのです。