水害対策

ユーザー 芦田成人 建築設計事務所 蘆田 成人 の写真

水は高い所から低い所に流れるこれは、誰もが知る事実です。 

 
であるなら、水が流れてくる所よりも高い土地に建物を建てるか
若しくは土地の嵩上げをするかして水から建物を守れるようにするべき
なのですが、しかしこれとて土地の条件や土地嵩上げに要する費用の問題もあります。 

今回、紹介させて頂くお住まいは土地の三方が農業用水路に囲まれ
(写真建物の左手以外の三方が全て水路です)
過去にも土地自体が水に浸かった経緯があるとご承知の上で
購入された土地への建築です。 

前述のような経緯があると分かっていながら何も対策を講じない訳には
いかず、と言って土地全体に盛り土をして嵩上げすると擁壁が必要となり
工事費も相当に跳ね上がることから、建物本体で対策を講じることを
考えました。 

具体的には高基礎としたのですが
地面から床までの高さを1.0mに設定しました。
通常の設定では0.6m程度なので、その差40cmです。
40cm高くなることで住まいの中から見える景色も多少違ってきますし
床下のゆとりも全く変わります。 

即ち、床下の点検も楽になると言う
第二のメリットも生まれる訳です。 

近年では各行政がハザードマップを備えていることもありますので
建築の際に皆さんが建築されるエリアの水害の危険性を事前に把握することは
随分と簡単になりました。
是非、このようなデータも活用した住まいづくり、建物づくりに
取り組んで頂きたいと思います。